一般の開業歯科医院では治療が困難な口腔外科的疾患に対して標準的治療を高い水準で行うとともに、最先端の高度口腔外科医療に積極的に取り組んでいます。

神戸市立医療センター中央市民病院
歯科・歯科口腔外科部長
竹信 俊彦

心臓病や高血圧、糖尿病、血が止まりにくくなるお薬を服用されるなど、一般の開業歯科医院では治療が困難な方の抜歯や麻酔処置を歯科医院からの紹介で行っています。地域の開業歯科医院と連携していますので、必ず紹介状をお持ちください。虫歯の治療や被せもの、差し歯、ブリッジ、入れ歯の治療、歯周病・インプラントなどの一般的歯科治療は行っておりません。

口腔外科的疾患の取り組み

顎口腔の炎症、顎嚢胞、口腔腫瘍、歯・口腔顎顔面外傷、顎変形症、顎関節疾患、唾液腺疾患、口腔粘膜疾患などの口腔外科的疾患に対して、標準的治療を高い水準で提供できるように努力しています。口腔がんとその他の口腔悪性腫瘍の治療は全て頭頸部外科に集約しており、頭頸部外科の要請時に共同で手術に参画し顎切除・顎骨再建を担当しています。

低侵襲治療への取り組み

また当科では2003年頃よりいち早く内視鏡を取り入れた低侵襲口腔外科手術に取り組んでいます。下顎骨骨折で高頻度に合併する顎関節突起骨折に対して、口腔内から内視鏡支援下に整復固定を行う内視鏡支援下顎関節突起骨折観血的整復固定術は、顔面の皮膚切開を行うことなく骨折部分を固定するため傷跡を残しません。上下顎骨折手術では手術時に適切な咬合を確立し、術後の顎間固定(ワイヤーで上下の歯を縛って口が開かないようにする処置)を行わない治療を目指します。そのため患者さんは翌日から経口摂取が可能です。

唾石症の治療では唾液腺内視鏡による唾石摘出術や口腔内切開による唾石摘出術に数多く取り組んでいます。ほとんどの場合で顎下腺摘出を回避できており、年間50例程の治療を行っています。唾石摘出術は入院全身麻酔で行いますが、入院期間は3泊4日です。

顎変形症の外科的矯正手術を数多く経験しています

歯列矯正治療のみでは改善できない骨格性不正咬合(顎変形症)の外科的矯正治療を矯正歯科専門医と連携して行っています。手術症例は年間120例以上です。上顎では主としてLe Fort I型骨切り術、下顎では下顎枝矢状分割術や下顎枝垂直骨切り術、オトガイ形成術を行います。手術の組み合わせに関わらず、入院期間は1週間程度で手術翌日から口を開けて食事が可能です。自己血輸血は不要です。また先天性疾患の高度顎変形症では顎骨に対する骨延長術や、形成外科と連携して骨格のみならず軟部組織の改善も目指しています。

2年間の初期研修医、3年間の専攻医制度を設けています

当科は日本口腔外科学会および日本顎顔面インプラント学会の指定研修機関に認定されています。また病院歯科では全国でも数少ない5年間の口腔外科認定医を目指した研修医制度を設けています。毎年2名の初期研修医(2年制)と1名の専攻医(後期研修医3年制)を全国の優秀な人材から公募しており、毎年多くの歯科医学生の見学や歯科衛生士学生の実習も受け入れています。

口腔外科的疾患:標準的治療を高い水準で

〈医局員〉

歯科口腔外科医療を志す全国の大学歯学部出身者で構成されています。

〈内視鏡手術〉

当科では2003年からこれまで歯科口腔外科分野では顎関節鏡を除いて取り上げられることのなかった内視鏡の応用を開始し、2004年には国内に先駆けて内視鏡支援下 顎関節突起骨折観血的整復固定術および唾液腺内視鏡による顎下腺唾石摘出術に成功しました。現在では唾液腺内視鏡手術、顎関節突起骨折手術を始めとして、外科的顎矯正手術、顎骨腫瘍摘出術、上顎洞内異物除去、高難易度埋伏抜歯など様々な手術に内視鏡を適応し、低侵襲で安全確実な口腔外科手術を実践しています。

診療実績

歯科口腔外科 2021年度入院手術

歯槽骨外科手術(サイナスリフト・骨移植) 1例
顎嚢胞手術 44例
顎変形症手術 147例
顎顔面外傷手術 11例
抜歯手術 38例
唾石摘出術 25例
良性腫瘍手術 4例
インプラント手術 1例
チタンプレート除去手術 67例
年度別入院件数 338例
外来手術 563例

顎変形症手術の内訳

  例数
上下顎手術 121例
下顎単独手術 26例

診療科別統計

臨床評価指標ページ

主な疾患・治療法

顎変形症

歯列矯正治療とあごの骨を外科的に修正する手術を併用して治療することにより正しい噛み合わせを得ることが可能です。

なぜ手術を受けなければならないのですか?
歯の咬み合わせに不具合があることを不正咬合(ふせいこうごう)といいます。歯の並びや向きなどを矯正すれば正しく噛めるように治るものを歯性不正咬合(しせいふせいこうごう)と呼び、歯列矯正治療のみで治すことが可能です。しかし上下のあごの骨の形や位置関係に問題がある場合は、歯列矯正治療で歯の向きを修正しても咬み合わせの不具合を治すことが出来ません。これを骨格性不正咬合(こっかくせいふせいこうごう)と呼び、歯列矯正治療とあごの骨の位置関係を外科的に修正する手術を併用して治療することにより正しい咬み合わせを得ることが可能です。これを顎変形症に対する外科的矯正治療といいます。

外科的矯正治療は咬み合わせの改善のための治療ですから、美容・整形を目的とした手術ではありません(そのため健康保険が適応されます)。従って、不正咬合がみられない場合(単にエラが張っているなど)は原則として治療対象とはなりません。必ず矯正歯科医師と歯科口腔外科医の協同治療が必要です。

外科的矯正治療はあごの骨を動かす以上、顔を含めて様々な事が変わります。たとえば受け口を改善すれば下あごを後退させるので口の中が狭くなったように感じられます。口の中が狭く感じないように上あごを前進させれば鼻や上唇の形は当然変化します。どんな手術であっても外科手術は後戻りのできない処置です。メスを入れたところには傷跡や瘢痕が残り、剥離をしたところは癒着します。咬み合わせの変化に始まり、痺れ・引きつれ感・各種の違和感・顔の動きや表情や形などの軟組織の変化・発音・咀嚼・呼吸・嚥下・顎関節の調子などなど全てが変わると言っても過言ではありません。これらは人それぞれに感じ方が異なり、ご自身以外には医療者側を含めて他人にはわかってもらえませんし、事前に完璧な変化の予測ができません。それらを評価・実証する検査もありません。ほとんどの方はこれらの事象に徐々に適応されます。咬み合わせをはじめとしてしばらくの間、違和感があるもののそれを上回る多くの改善点を喜んでいただき、治療を受けて良かったですと仰います。しかしながら一部(1%未満)に適応できない方もおられます(事前には医療者側にはわかりません)。一度手術をおこなえば完全に元の状態に戻すことは不可能です。微細な審美的不満などは保険医療であるため、その改善のための大々的な再手術を保険でおこなうことは出来ません。特に痺れ・引きつれ感・各種の違和感・顔の動きや表情や形など主観的な事は原因を特定する手立て(検査)も無く、絶対に有効であると言える治療法がなく事実上元に戻すことは不可能であることを十分ご理解・ご了承のうえ治療をお受け下さい。当科で手術をお受けになった方に限らず他の医療機関で治療をお受けになり、上記のような相談に来られる場合も少なくありませんが、それらの事象が生じてもなお咬み合わせの改善を望むお気持ちがご自身に無いのであれば、外科的矯正治療を受けず歯科矯正治療のみにとどめるということも選択枝の一つとしてご自身でお決めいただくことが大切です。

治療の流れは?

外科的矯正治療には大きく4つのステップがあります。標準的には全行程3年程度を要します。

第1段階(術前矯正治療)

歯並びのでこぼこや咬み合わせ平面の平坦化をおこない、手術後に安定するような咬み合わせを予め作ります。術前矯正治療は平均1年半から2年程度を要します。学校や仕事の都合で術前矯正が不十分な時期に手術を希望される方がおられますが、お勧めできません。外科的矯正治療は要件を満たし認可を受けた矯正歯科医院と当院との間では健康保険が適用されます(保険が適用されるのは日本だけで、海外では数百万円単位の費用を自己負担するのが普通です)。我が国の保険医療は標準的手法が確立された医療に適用されますので、逆に言うとその標準的手法と違った独自の手法は認められません(歯の裏側からおこなう見えない矯正を採用する・手術のみ先におこなう・美容整容を目的とした手術など)。初診時にはレントゲン・3次元CT・顎関節MRI検査予約などを行います。

第2段階(入院手術)

術前矯正の完了が近づけば、矯正歯科医師より手術日程を決めてきてくださいと通知されます。概ね3ヶ月以上前もって通知されますので、その段階になれば当院で手術日のご相談をお受けします(当院の入院手術はおよそ半年待ちですのでなるべく早く御来院ください)。入院1ヶ月前には全身麻酔のための術前検査一式(血液検査・尿検査・胸部レントゲン写真・心電図・顎顔面CT・顎関節MRIなど)を実施し、手術計画の概要を御説明するとともに手術リスクについての御説明、同意書の手渡しをおこないます。手術日の前日に入院いただき、術後およそ1週間の入院となります。

第3段階(術後矯正治療)

術後はおよそ3ヶ月程度の矯正用ミニ輪ゴムによるリハビリ(後述)をおこないながら、術後の歯並びの微調整を矯正歯科医師がおこないます。手術で下あごの骨に骨接合用のチタンプレートなどを使用しますので術後7-12ヶ月程度経過した時点でプレート除去手術をおこないます。

第4段階(保定)

歯列矯正治療のワイヤーなどが除去となり、歯並びの安定化をはかるための保定装置を日中あるいは夜間のみ使用して、治療が終了します。

対象となる病気(顎変形症)とは?

受け口(下顎前突)や出っ歯(上顎前突)といった上下のあごの骨が大きすぎる場合や逆に小さすぎる場合(口唇口蓋裂による上顎後退や小下顎症)。顔やあごが曲がっている場合(顔面非対称,下顎非対称)や上下の前歯が噛み合わず開いている場合(開咬症)、その他あごの骨のゆがみが原因で起こる顎関節症などに適応されます。また呼吸器内科医師などからのご依頼により睡眠時無呼吸症候群に対しても適用することがあります。

手術方法はどのようなものですか?

手術は全身麻酔でおこないます。様々な顎変形に対して幾つかの手術方法がありますが、全ての手術法は口の中からおこない、顔の皮膚を切ることはありません。大きくは上あごに対する手術と下あごに対する手術です。上あごに対する手術には次のような方法があります。

Le Fort I 型(ルフォー1型)骨切り術

上あご全体の移動を行う方法です。上唇の内側の歯肉を切って鼻の横くらいから水平に骨を切ります。上あごは歯がついたまま全体を動かせるようになります。上あごが正しい位置に動けば、骨接合用のプレートとネジで上あごをしっかりと固定します。当院では日本人の骨格に合わせて設計された最新の生体吸収性プレートを主に使用しております。

Le Fort I型骨切り術の手術時間は1時間半程度です。鼻の形の変形を最小限に防ぐために、鼻中隔とよばれる左右の鼻の穴の間仕切りの軟骨を切り離した上あごの骨の正中部に再度固定を行い鼻先が上を向かないようにします。また鼻翼(鼻の穴周囲の軟骨)や小鼻周囲の軟組織や上唇の拡大を防ぐために吸収性糸で引き寄せる処置をおこなっていますが、別項目で述べるように完全ではありません。
上顎前方歯槽骨切り術

上あごの前歯部分にのみ問題がある時に用いる方法です。手術は左右の第1小臼歯(4番目の歯)を抜歯し、その部分の歯槽骨を取り除きます。次に左右の犬歯から犬歯までの6本の前歯を骨ごと切り離し、抜歯をして骨を取り除いたスペースに移動させます。正しい位置に移動させた後、吸収性プレートとスクリューで固定し更に歯の裏側からオーダーメイドのプラスチック製ギプスで固定をします。ギプスは1ヶ月後に外来にて除去します。

次に下あごに対する手術法を説明します。

下顎枝矢状分割術(かがくししじょうぶんかつじゅつ)

下あご全体を移動させる最も標準的な方法です。左右の親知らずあたりの頬の内側の歯茎を切ってエラの部分の骨を口の中から見通せるようにします。そして左右の骨を内側と外側の2枚に分割し、外側の顎関節部分の骨は現在の位置を保ち、歯のついた内側の骨のみを正しい咬み合わせ位置に移動させます。その後、チタンプレートとスクリューで内外2枚の骨を固定します。

当院ではこの手術はネジ止めを含めて完全に口の中からおこない、皮膚にはメスを入れません。手術当日の顎間固定(上下の歯を細い針金でしばり付ける処置)はおこなわず、手術翌日から矯正用ミニ輪ゴムによるリハビリをおこないます。下顎枝矢状分割術の手術時間は2時間程度です。この手術では親知らずを半年前までに抜いておく必要があります。当科では下あごについては噛むという大きな力がかかるため、原則としてチタンプレートを使用しています。チタンプレートは吸収性プレートのおよそ5倍の物理的強度を持っています。チタンは生体親和性に優れ必ずしも取り除く必要はありませんが、将来の異物感染やMRI検査画像への障害となる場合を考慮して別途除去手術を行います。その場合およそ術後半年から1年後くらいが適切です。3泊の入院全身麻酔手術でおこないます。

下顎枝垂直骨切り術(かがくしすいちょくほねきりじゅつ)

同じく下あご全体を移動させる方法です。やはり左右の親知らずあたりの頬の内側の歯茎を切って、エラの部分の骨を見通せるようにします。そして顎関節の前の骨を上から下まで垂直に一直線に骨切りします。下あごは左右の関節部分と歯の植わっている部分の3つに分離します。歯のついている骨のみを正しい噛み合わせ位置に移動させます。この方法では骨は状態によって吸収性プレートなどで固定する場合としない場合がありますが、問題なく骨は癒合します。我が国のみならず世界的にも下あごの標準的手術は下顎枝矢状分割術です。この垂直骨切り術はあまりポピュラーではありませんが、下あごの骨が薄く折れやすい場合や非対称手術では、骨折や神経麻痺が出にくいために患者さんの負担も少ない方法です。手術当日から翌朝まで矯正用ミニ輪ゴムを用いて口を閉じた状態で安静を図ります。垂直骨切り術は、あごの関節部分の骨が自由になるためにあごの移動による顎関節への影響が少なく、顎関節症の患者さんや顔面の非対称の治療のように左右の移動する量が大きく異なる場合には特に優れた方法です。また顎関節症を持つ患者さんの治療法としても優れており、術後9割以上の確率で症状が軽快します。下顎枝垂直骨切り術の手術時間は1時間半程度です。

下顎前方歯槽骨切り術

上顎前方歯槽骨切り術と同様のことを下あごで行います。この手術を行う場合は、下記のオトガイ形成術を同時に行うことは骨折のリスクがあるためいたしません。

オトガイ形成術

下唇の内側の歯茎から切っておこないます。オトガイと呼ばれる下あごのあご先の位置や形を修正します。この手術は咬み合わせには関係しませんが、他の手術法であごの移動を行った場合の顔面骨格のバランスを整えるためにご希望により行います。人工物を入れる美容整形とは違ってご自身の骨を移動修正してプレートとスクリュー(チタンあるいは生体吸収性)で固定します。オトガイ形成術の手術時間は簡単な場合で30分程度です。オトガイ形成は初回手術でおこなうことが出来ますが、一旦上あごや下あごの移動で咬み合わせを改善した後の顔貌を評価して、プレート除去手術時におこなう方が、あご全体のバランスをみて初回の手術後の微調整に有効です。この場合のプレートは可能な限り生体吸収性プレートを使用します。

顎骨延長術(がっこつえんちょうじゅつ)

あごの骨が小さい小下顎症の治療では、従来から先に述べた下顎枝矢状分割術を用いて下あごを前方に延ばしていました。しかしその方法ではあごの骨に付着する筋肉や皮膚、あごの骨の中を通る神経や血管が無理矢理引き延ばされ、前方への移動量に限界(およそ15ミリまで)がありました。また手術後にも皮膚や筋肉の引き戻す力で、せっかく移動させたあごの骨が何割か元の位置に戻ってしまうことさえありました。また口唇顎口蓋裂の患者さんの小さな上あごを前方に移動するために、従来からLe Fort I型骨切り術が行われていますが、しばしば過去の手術による瘢痕のために十分な移動が出来ないことがありました。顎骨延長術は延ばしたい骨の部分に骨切り線を入れ、そこに埋め込み式の骨延長器を装着します。手術後にその延長器を作動させ、1日1ミリ程度の極めてゆっくりとしたスピードで延長を開始します。骨と骨の間は日に日に隙間が空いてゆきますが、やがてそこには新しい骨が再生します。しかも骨だけでなく神経や血管といった組織までもが再生します。この方法を用いることで従来は治療が不可能であったトリチャーコリンズ症候群などの重度の顎変形症に対する治療が可能になりました。

手術はこれらの方法を組み合わせてさまざまな変形に対応します。

プレート除去手術

以上のように多くの手術でチタンプレートとスクリューを骨接合に用います。これらのプレート類は生体親和性の高い純チタン製ですので、海外諸国では医療費の関係で除去手術をおこなわないことが多いのですが、我が国はほとんどの施設で別途除去手術をおこなっています。当科でも将来的な異物感染や頭部のMRI検査時の画像への影響を考慮してプレート除去を原則としておこなっています。骨癒合が完了する術後半年から1年くらいの間に除去手術をおこないます。1年以上経過しますとネジ山やプレートに骨が覆い被さるので除去が困難となってきます。入院での全身麻酔手術ですが、部位の多少にかかわらず3泊4日の入院期間です。手術時間は1時間程度です。生体吸収性プレートは原則除去の必要はありません。5年程度で吸収消失するとされています。

上顎骨手術の術後の鼻の変形について

上あごの手術後に鼻の形が変形しませんか?という質問をよくお受けします。結論から言えば上あごの手術をする限り、多少の微妙な鼻の形の変化は避けられないと言えます。鼻の形の変化というのは鼻翼(小鼻の部分)が横に拡がったり、鼻先が上を向いたり、鼻の穴の形が変わったりということを指すと思われます。手術後は上唇や鼻の周囲の頬などが術前の1.5-2倍程度の厚みに腫れ上がっていますので、それらが完全に引く術後4-6ヶ月程度までは焦らず様子を見るべきです。それでも鼻の形が術後に違って見えるのには大きく分けて二つの要因が考えられます。一つは上あごの移動によって口元の形態が変化し、特に鼻と上唇の成す角度が変わることによって形や見え方が違ってくることです。鼻というのは左右の上あごの骨の中央にぽっかり開いた洋梨型の穴の上に乗っかる、軟骨を芯にしたテントのようなものです。テントが乗っかる地面である上あごが動けばテントの傾きや形は変化するのが当然です。この変化は上あごの移動距離が大きくなるほど目立ってきますので、当科では上あごの移動距離の設定には特に注意を払っています。

もう一つは鼻全体の引き締まりが緩んでしまうことが原因ではないかと考えられます。先ほどのテントに例えると地面の動きはほとんど無くても、地面からテントを張っているロープが緩むとテントの形が変わるからです。笑うと小鼻が開くのと同時に小鼻も口角も上方に引き上がります。これは表情筋(顔面筋ともいう)が動くためです。表情筋とは顔面の骨から起こって顔面の皮膚に付着する筋肉のことを指します。顔には数多くの表情筋が存在し、特に鼻や口角の周辺には多くの表情筋が密集しています。もちろん鼻にも鼻筋という表情筋が付着しており鼻翼の周囲には上唇鼻翼挙筋・上唇挙筋といった表情筋が上あごの骨から鼻・鼻翼の皮膚に付着しています。骨との付着部をアンカーにして皮膚を引っ張ることによって表情が生まれます。上あごの手術をするということは、この部分の骨を切るためにこれらの表情筋の付着を骨から剥がさなければなりません。また骨切りの後はこの部分にプレート固定をおこないます。この時に剥がされた表情筋がなるべく元の位置に再度付着するように、剥がされた左右のこれらの筋肉の部位に糸を掛けてたぐり寄せておく必要があります。当科では左右共に2本の吸収性糸で牽引固定しています(溶けない糸を使うと笑うたびに突っ張りが遺ってしまうため)。また鼻中隔と呼ばれる鼻の正中の軟骨も上あごの骨に再度固定します。更に上唇裏側を正中部分でたぐり寄せるような縫合もおこないます。この3つの牽引縫合で鼻というテントの張りと引き締めをおこなっているのです。そこまでこだわっていても数%の方が術後の鼻の形を気にされています。当科では術後に特別なテーピング固定はおこなっていません。テープかぶれを起こす方が多いことや女性の場合、基礎化粧品などですぐに剥がれてしまうからです。

それともう一つ、決定的な障害が手術中にはあるのです。全身麻酔をおこなうには気管内挿管による人工呼吸をおこないますが、外科的矯正手術では手術中に目的とする咬み合わせで骨の固定をするために経鼻気管内挿管が必須になります。人差し指ほどもある挿管チューブと、術中に胃の中に貯まる洗浄水や血液・胃液を吸い出すための経鼻胃管が左右両方の鼻の穴に入っています。気管内挿管チューブが抜け出てきたりすると命に関わることなので、麻酔科医師はチューブをしっかりと鼻の周囲にテープで幾重にも巻いて固定します。腹部の手術とは違って頭頸部の手術は麻酔科医にとって極めて重要な挿管チューブが自身の手元を離れて術野の清潔区域に存在するため、テープ固定には大変気を遣っています。この状態ではもはや鼻の形などはほぼわからないので、上述の牽引固定の正確性には限度があるということをご理解ください。また女性の方は手術当日の朝、顔のスキンケアのために乳液などを塗ると気管内挿管チューブの固定テープが剥がれてしまい大変危険です。手術当日は顔に乳液などの基礎化粧品は絶対に塗らないで下さい。

手術のリスクはどのようなものがありますか?

次に手術のリスクを説明します。

1.手術中の多量出血のリスク

(出血は実際にはほとんど心配ないのですが、万が一大量の場合は輸血を回避するために手術を中断し、後日に延期します)

2.再手術の可能性があります

(当科の場合1.5%前後の確率です。顎関節の脱臼、手術中に見られなかった咬み合わせの不具合、術後の画像検査でないと判別不明な骨片の不具合などで再度整復固定が必要な場合、術後の異常出血などの止血、矯正装置の迷入異物の除去等)これらはほとんど入院中に生じますが、まれに退院後の術後感染や異常骨折、プレート破折による不正な咬合の出現などでも行うことがあります。

3.口唇、頬の皮膚、粘膜や歯肉の感覚の痺れがどこかに必ず出ます。骨の形や神経の走行、手術法の違いなどで人によって痺れが強く出る場所は様々です。

(若い人では3ヶ月程でほぼ軽減消失してきますが、通常半年から1年程度で治ります。しかし稀に若干遺る方もおられます。また40歳代、50歳代となるほど回復は遅れる傾向があります)

4.傷の感染の恐れ

(奥歯に感染病巣がある方では稀に歯から感染・傷の化膿を起こすことがあります。親知らずは特に下あごについては手術の6ヶ月前までには抜歯が完了している必要があります。また神経を抜いた歯の根尖病巣もしばしば問題となります。)

5.顔の腫れ、頬や顎まわりのたるみ、上あごの手術をおこなった場合は、鼻の形の微妙な変化が必ず出現します。上あごを動かすための手術である以上、鼻を含めた何らかの顔の見た目や表情の変化は避けることができません。咬み合わせの改善目的に必要な手術です。

(顎の移動量や向きによりますが、手術の腫れは1ヶ月程度で見ず知らずの他人にはわからないくらいに軽減してきます。ご自身や親しい人からは4ー6ヶ月を経過するまではむくんだ感じが残るのが普通です。)

6.食事や会話の不自由はおよそ1ヶ月程度

(術後1ヶ月後程度で固い肉を引きちぎったりするようなこと以外はほぼ元の食事内容に戻せます。会話は退院前には電話での会話も可能です。)

7.その他

外科的矯正治療は咬み合わせ改善のためにあごの骨を動かす以上、美容手術ではないものの顔を含めて様々な事が変わります。受け口を改善すれば下あごを後退させ口の中は狭く感じます。口の中が狭く感じないように上あごを前進させれば鼻や上唇の形は当然変化します。どんな手術であっても一旦おこなえば後戻りのできない処置です。咬み合わせに始まり、痺れ・引きつれ感・各種の違和感・顔の動きや表情や形などの軟組織・発音・咀嚼・呼吸・嚥下・顎関節の調子などなど全てが変わると言っても過言ではありません。これらは人それぞれ感じ方が異なり、ご自身以外に医療者側を含めて他人にはなかなかわかってもらえませんし、事前に完璧な予測ができません。それらを評価・実証する完璧な検査もありません。ほとんどの方はこれらの事象に徐々に適応されますが、一部(1%未満)に適応できない方もおられます(事前には医療者側にはわかりません)。しかし一度手術をおこなえば完全に元に戻すことは不可能です。特に痺れ・引きつれ感・各種の違和感・顔の動きや表情や形などの軟組織の変化は原因を特定する手立ても無く、絶対に有効であると言える治療法がなく元に戻すことは事実上不可能であることを十分ご理解・ご了承のうえ手術をお受け下さい。

以上の7項目を初診時に説明させていただいております。
またすべて専門の麻酔科医師による全身麻酔のもとに行っています。以前は出血量が増えそうな上下顎手術では、800mlの自己血の貯血をあらかじめおこなって準備を整え、手術後は一晩気管内挿管のまま集中治療室(ICU)に入室していました。現在では自己血貯血や術後の気管内挿管チューブの留置は行っておりませんが、安全のために手術当日夜は手術室に隣接するハイケアユニット(HCU)で経過を観察します。同様に鼻から入れる経鼻胃管留置による流動食注入もなく、全ての患者さんに術翌朝から経口摂取をおこないます。また、2003年からは入院治療全般について治療方法を標準化するクリニカルパスをいち早く導入し、ご自身の治療経過を確認しながら安心して入院生活を送っていただけます。

入院中の療養生活は?

手術直後の数時間はベッド上で安静ですが、その後は徐々に起きて歩くことが可能です。術直後の痛みをご心配される方が多いのですが、実は痛みでお困りになる方はほぼおられません。術直後では麻酔覚醒後の吐き気・上あご手術後の鼻づまり・鼻血の喉への垂れ込みなどが実は最も辛かったと仰る方が多く、痛みは二の次三の次です。術直後こそ数時間は飲水禁止ですので点滴薬で各種痛み止めが使えます。翌日からは一般的なロキソニン錠やポンタールシロップなどの内服で十分鎮痛可能です。また1週間後の退院以後はほぼ鎮痛剤内服も不要なようです。いっぽう麻酔後の吐き気は一般に車酔いしやすい人に多いと言われています。吐き気止めの点滴は二種類準備しており、効かなければ変更します。また、下あごの手術部は閉鎖されて持続吸引ドレーンという貯まった血液を吸い出すチューブで排液しますが、上あごの手術では鼻や喉と交通しているためドレーンを入れることが出来ないために、貯まってくる血液は寝ていると喉へ流れ込みます。この血液を唾と一緒に枕元の吸引チューブを口に入れてご自身で吸い出すことが大切で、飲み込んでしまうと徐々に胃の中に血の塊ができて吐き気の原因となります。吐き気については出る方・出ない方がはっきり分かれます。吐き気の出ない方は当日の夜になればすでにケロッとされています。鼻づまりは麻酔の経鼻挿管チューブの影響と上あご手術そのものの腫れによって生じます。入院時に点鼻薬を処方いたしますので、適宜使用してください。また病棟処置室には耳鼻科用の吸引・薬剤噴霧装置がありますので、鼻づまりで苦しい際は担当医に申し出て下さい。アレルギー性鼻炎など元々鼻づまりの持病がある方は、入院前に必ず耳鼻科医の診察を受けお薬などの処方を受けておいて下さい。上あごの手術を受けた方は、入院中は強く鼻をかまないで下さい。強く鼻をかみますと骨切り部より頬や目の下の皮下に空気が入り込み、気腫という強い腫れを生じてしまいます。2週間程度我慢してください。

手術後は矯正装置のワイヤーに取り付けたフックに矯正用ミニ輪ゴムをかけて、上下のあごを正しい咬み合わせ位置に誘導しながら口を閉じた状態で安静をはかります。翌朝からご自分で矯正用ミニ輪ゴムと正しい咬み合わせで作成したマウスピースを用いてあごの位置を補正する練習をします。この輪ゴムとマウスピースは食事の際にはご自身で取り外し、食後に歯磨きをして再度ご自身で装着していただきます。食事は手術翌朝に口をあけてスープなどの流動食を食べ始め(鼻からのチューブなどはありません)、2日目からは3分粥、それが食べられるようになれば5分粥へとアップしていきます。その他、化膿止めの点滴が術翌日まであります。手術翌日にはシャワー、さらにその翌日には入浴、洗髪も行っていただけます。

退院後の生活は?

退院は手術後通常は7日目くらいが目安です。退院後は痛み止めも不要で、徐々に食べ物を普通食に戻してゆくことが可能です(およその目安は1ヶ月)。また少しずつ口も開くようになり噛む力も出てきます。退院後はまず矯正歯科医の診察を受けて下さい。輪ゴムの掛け方も矯正医の指示に従って下さい。術後1ヶ月もすればゴムを掛けたままでも自在に口は開きます。

輪ゴム掛けのリハビリは概ね3ヶ月程度です。このリハビリは極めて大切です。手術が上手くいってもこのリハビリが不完全な場合、咬み合わせに不具合が遺ることがありますので、くれぐれも担当医師(矯正歯科、口腔外科)の指示に従ってください。脚を骨折して手術を受けた後、ギブスを巻いて松葉杖をつくのが当然であることと同じです。また定期的に当院外来にて術後の診察を受けていただき、術後6ヶ月経過後にレントゲンやCTで骨の位置や治り方を確認します。もちろん食事のことを除けば、学校や仕事などの日常生活を退院後すぐに送っていただくことが可能です。当科の外来診察は退院後1ヶ月目(咬み合わせ観察)・3−4ヶ月目(咬み合わせ観察:経過の良い場合は省略することもあります)・6−7ヶ月目(画像検査による骨治癒の観察)となります。

健康保険が使えますか?

顎変形症は噛み合わせの異常という病気ですから従来保険医療の対象になりました。しかし平成18年4月より法改正があり、矯正治療を保険で受けておられる患者さんは今までどおり保険医療で手術を受けることが出来ますが、矯正治療を自費で受けておられる患者さんは、入院手術に関しても自費治療でなければならないとされています。入院および手術の費用は手術の種類や数および入院日数によりますが、保険医療の対象になる患者様は総医療費の3割の自己負担の後で、高額医療の対象になりますので後日還付金があります。いっぽう自費診療に該当する方は、下あごのみの手術でおよそ130-160万円、上下両方の手術では280-300万円程度の料金になります。また初診日の診察料から終了まで全ての外来診察料や血液検査・画像検査・お薬に至るまですべて自費診療になりますのでご了承ください。矯正歯科治療を保険診療でおこなうためには、担当矯正歯科医が保険診療の指定(後述の付記参照)を受けている必要がありますので、詳しくは矯正担当歯科医師にお問い合わせください。

付記:顎口腔機能診断算定が可能な指定機関
  1. 障害者自立支援法施行規則(平成十八年厚生労働省令第十九号)第三十六条第一号及び第二号に規定する医療について、障害者自立支援法(平成十七年法律第百二十三号)第五十四条第二項に規定する都道府県知事の指定を受けた医療機関(歯科矯正に関する医療を担当するものに限る)であること。
  2. 当該療養を行うにつき十分な専用施設を有していること。
  3. 当該療養につき顎離断などの手術を担当する別の保険医療機関との間の連携体制が整備されていること。

唾石症

唾液腺内視鏡による唾石摘出術は、内視鏡内部から唾石把持鉗子を伸展させ唾石を掴み取ってくる方法です。

顎下腺などの大唾液腺に生じる唾石症は、唾石が導管を閉塞し食事の際に反復して腫れと痛みを生じる疾患です。発生は圧倒的に顎下腺に多く、しかも顎下腺体から主導管への出口付近(移行部)に好発します。大きさは1ミリ程度のものから1cmを超えるものまで様々です。口腔底の浅い部分を走行する導管内唾石では主に口腔内切開により摘出され、深い部分や移行部、唾液腺体内の唾石では顎下部の皮膚切開による顎下腺摘出術が通常選択されています。唾液腺導管は口腔内への出口が直径0.5mm、内部の主導管でも直径1.5mm程度であり、腺体内部になりますと次々と分岐し1mm未満という細さになります。

唾液腺内視鏡による唾石摘出術は、直径1.6mmもしくは2.5mmの内視鏡を口腔内の唾液腺管開口部を拡大しながら挿入し、内視鏡内部から唾石把持鉗子を伸展させ唾石を掴み取ってくる方法です。

適応となる唾石症

唾石の直径がおよそ5mm以下、腺体より手前の導管内に存在する場合です。

上記以外の大きな唾石あるいは唾液腺体内部に存在する場合は、内視鏡単独での摘出は不可能ですが、口腔内の小切開(2cm程度)で内視鏡補助や細心の注意を払って触診しながら摘出します。内視鏡単独での摘出が不可能な唾石のほとんどが口腔内切開法で摘出可能であり、顎下腺摘出が回避できております。入院期間は3泊4日です。

内視鏡支援下の治療法

下顎骨関節突起の骨折は従来顎間固定のみの非観血的整復治療が多く、仮に手術となっても耳前部、耳介下部あるいは顎下部皮膚切開で行われました。この方法は骨折部の整復は容易になりますが、顔面に瘢痕を遺し顔面神経麻痺を生じる可能性がありました。内視鏡支援下手術は口腔内切開で顎関節突起を整復固定する方法です。この方法はドイツで開発され実用化されましたが、わずかながら耳前部の皮膚切開を加え、小さな穴を開けて器具を貫通させて治療していました。当科では独自の工夫で現在では皮膚切開を行わない完全口腔内手術を実践しています。

手術適応になるのは、顎関節突起の基底部分もしくは下頸部分で、上頸部分や関節頭は手術適応にはなりません。

先天性顎骨低形成の骨延長手術では、通常の後天性の疾患とは異なり、術野が狭く形態的にも手術の難易度が上がります。内視鏡支援下の骨切り、骨延長器装着、骨接合プレート装着が可能となり、より安全で確実な手術を行っています。

下顎骨および上顎骨に生じた歯原性腫瘍などの摘出においても、内視鏡を使用することにより、肉眼では見えない部分が見えるようになり、かつ局所の視野が拡大されることによって腫瘍の取り残しが無くなり、再発率が下がります。また神経損傷のリスクが低減されます。

歯やインプラントなどの上顎洞内迷入異物の摘出は、口の中から歯肉を1〜2cm切開し、上顎洞壁に開けた直径5mm程度の小さな穴から摘出することが可能です。

内視鏡を使用すれば、少し離れた場所から小さな窓を開けるだけで摘出できるため、その後の歯やインプラント治療に支障をきたしません。

下あごの非常に深い位置に埋伏した親知らずの抜歯にも内視鏡を応用しています。通常であれば絶対に直視できない場所ですが、奥歯の内側の歯肉から内視鏡で見ながら皮膚を切ることなく抜歯しています。

現在、新規のインプラント治療の受付は行っておりません。

臨床研究

歯科口腔外科に受診中の患者さんへ 臨床研究の実施に関するお知らせ

現在歯科口腔外科では、下記の臨床研究を実施しております。
この研究では、患者さんの日常診療で得られたデータ(情報)を利用させていただきます。
ご自身のデータがこの研究に利用されることについて、異議がある場合は、情報の利用や他の研究機関への提供をいつでも停止することができます。研究の計画や内容などについて詳しくお知りになりたい方、ご自身のデータがこの研究で利用されることについて異議のある方、その他ご質問がある方は、以下の「問い合わせ先」へご連絡ください。

研究課題名 当院責任者 説明文
(PDF)
顎矯正手術後の悪心・嘔吐の予防に対するグラニセトロンおよびオンダンセトロンの有用性 前田圭吾 PDF
薬剤関連顎骨壊死に関する多施設共同後ろ向き観察研究 竹信俊彦 PDF
下顎骨形成術における吸収性骨接合材料の術後安定性―プレート・スクリュー固定と骨間貫通スクリュー固定の比較研究 竹信俊彦 PDF
薬剤関連顎骨壊死に対する後ろ向き観察研究 竹信俊彦 PDF
下顎骨関節突起骨折に対する HIGH SUBMANDIBULAR TRANS MASSETERIC APPROACHの有用性と周術期の注意点について 山本信祐 PDF
唾液腺内視鏡手術における唾石摘出術の臨床的検討-Management of sialolithiasis with sialendoscopy alone: evaluation of the size and location of removed stones- 竹信俊彦 PDF
外科矯正治療に関する実態調査 竹信俊彦 PDF

「唾液腺内視鏡支援下唾石摘出術の臨床応用に関する研究」平成22年1月19日

当院は、歯科口腔外科で顎下腺唾石又は耳下腺唾石治療法「内視鏡支援下唾石摘出術」の患者さんを対象にした「内視鏡支援下唾石摘出術の臨床応用に関する研究(唾石内視鏡研究)」を行います。

唾液腺内視鏡支援下唾石摘出術は唾液腺専用内視鏡を使った治療で、顎下腺あるいは耳下腺摘出を回避して最小限の口腔内切開を利用した唾石摘出法にて治療を行っています。しかしどの程度の大きさや個数の唾石で、且つどの程度の深さまで摘出可能なのか、まだはっきり分かっていません。そこで、平成22年1月20日から当科でこれまでに唾石内視鏡治療を行った患者さんのデータをカルテから集めて解析を行うことを目的とした研究が始まります。神戸市立医療センター中央市民病院歯科口腔外科は、この臨床研究を、平成18年3月10日から平成21年12月31日までの間に唾液腺内視鏡支援下唾石摘出術を受けた患者さんのデータを用いて報告する予定です。

この研究は、通常の日常診療で得られる検査ならびに手術結果を集めるだけですので、特別な治療や検査が行われることはありませんので、患者さんに何らかの利益または不利益が生じることはありません。また、患者さんの住所・氏名など個人が同定されるような情報は当院の診療担当者以外の第三者に知られることはありません。

もし、この研究にご自身の検査結果などが利用されることに対して異議がありましたら、担当医にその旨をお伝え下さい。また、この臨床研究の内容をもっと詳しく知りたい場合には、担当医師もしくは、当院における研究責任医師にお申し出ください。

当院における連絡先 神戸市立医療センター中央市民病院 歯科口腔外科部長  竹信 俊彦
〒650-0046 神戸市中央区港島中町4-6
TEL:078-302-4321, FAX:078-302-2487
研究事務局(本研究全般に関する問い合わせ先) 神戸市立医療センター中央市民病院 歯科口腔外科部長  竹信 俊彦
〒650-0046 神戸市中央区港島中町4-6
TEL:078-302-4321, FAX:078-302-2487

お知らせ

こうべ市歯科センター