総合的な視点からの診療とチーム医療の実践

神戸市立医療センター中央市民病院
総合内科部長
西岡 弘晶

現在我が国では医療の専門化・高度化が進み、診断や治療に大きな成果を挙げています。一方、超高齢社会の進行と共に、複数の疾患を同時に抱えたり、多臓器に問題があったり、心理社会的問題が絡み合っているといった患者さんも増え、一つ一つの問題を各々の専門診療によって解決しようとしても、うまくいかないことも多くなりました。また、「何か体の調子が良くないが原因がよくわからない」方や、「よくある一般的な症状」の方に対しては、各専門科のみの診療体制では対応が難しくなってきました。そのような場合、患者さんの問題を総合的にとらえ、診断・治療の順序やバランスを考えることが大切になります。 当院では、専門診療と総合診療が協力して診療の質をより一層向上させることを目指して「総合診療科」が設立され、平成28年7月から「総合内科」へと名称を変更し、外来診療・入院診療を行っています。

総合内科は、専門診療科やすべての医療スタッフと協力しながら、臓器別の枠に縛られずに、患者さんのニーズに合わせて、総合的な最適な医療を提供することを目指して努力しております。

コモンな疾患から重症疾患まで

診療対象とする病気、臓器、領域を限定せず、内科疾患を中心に下記のような診療を行っています。

外来、入院ともに診療します。重症症例も担当します。

  1. 一般診療では
    • 複数の臓器にわたる疾患、複数の主訴のある患者さんの診療
    • 発熱、浮腫、食欲不振、全身倦怠感など、特定の臓器に絞れないような患者さんの診療を行っています。
  2. 感染症については、稀な病気や専門性の高い病気も含めて、豊富な経験があります。
  3. 関節リウマチや膠原病の診療にも力を入れて取り組んでいます。
  4. 心理・社会的問題にも配慮しながら診療し、他部門との連携を密に行っています。
  5. 専門診療科での診療が必要な場合には、適切な紹介・連携をしています。
  6. 次世代を担う医学生や研修医の教育にも力を入れています。

診断のついていない、複雑な病状の患者さんも多いため、お一人ずつの診療時間が長くなり、外来診療での待ち時間でご迷惑をおかけすることがあります。
当科を新たに受診される場合には、かかりつけ医の先生や他の病院の先生からの紹介状、お薬手帳、これまでの検査結果等をご持参のうえ受診していただけると助かります。

診療実績

診療科別統計

臨床評価指標ページ

主な疾患・治療法

総合内科に特有の検査はありません

問診や身体診察により情報収集しアセスメントをします。

血液検査、尿検査、細菌学検査、単純X線、CT、MRI、エコー、髄液検査、胸水検査、腹水検査などの検査を、診断や治療の必要性に応じて適切に行うことを心がけています。

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