中央手術部
中央手術部は4階にあり、高度医療機器を備えた19室の手術室(ハイブリッド2室、クリーンルーム3室、陰圧対応手術室1室)を擁しており、デイサージャリーから大手術、そして緊急手術まで多種多様な手術に対応しています。
ハイブリッド手術室は手術と同時に血管造影を行うことができる手術室であり、循環器領域では経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)、マイトラクリップ手術や大動脈ステントグラフト治療など、そして脳神経外科領域では術中血管造影を要する開頭手術などに使用されています。クリーンルームでは整形外科の人工関節手術や心臓血管外科手術など、高度の清潔が要求される手術が行われています。また手術支援ロボット3台(ダ・ヴィンチ2台、hinotori1台)を有しており、主に泌尿器科、産婦人科、外科の手術で使用されています。陰圧対応手術室は感染症対応手術室であり、COVID-19流行においては主にCOVID-19陽性患者さんのための手術室として活用されました。
また、CT撮影装置を手術室に併設していますので、手術直後にCT撮影が必要な患者さんに対しては、別の階の放射線部門までわざわざ移動することなくすぐにCT撮影を行うことができることから、安全性と迅速性が両立されています。さらに手術室にはPACU(麻酔後回復室)を併設しており、手術終了後、一般病棟に帰室する前に看護師および麻酔科医師による十分な観察が行われています。
手術件数は年々増加し2019年には年間約10,000件以上(眼科手術の大多数は隣接のアイセンター病院で行われているため件数に含まず)となりました。その後COVID-19流行により件数は少し減りましたが、現在また増加傾向にあります。
集中治療部門・重症部門
集中治療部門は、1階救命救急センター内のEICU8床およびCCU6床、4階中央手術部に隣接されたGICU8床で形成されています。人工呼吸やECMOによる呼吸補助、IABPやPCPSによる循環補助、血液浄化による肝・腎補助等を必要とする重篤な方を専従の集中治療医・看護師を中心に各科担当医、他科専門医、薬剤師、作業療法士、栄養管理士、臨床工学技士など多職種が協力して治療にあたり早期回復に努めております。EICUは主に救急外来経由の重症呼吸不全、重症感染症、多臓器不全、重症外傷、緊急手術後、重症熱傷、重症中毒、などを対象としています。CCUは急性心筋梗塞、重症心不全などの循環器疾患を対象としています。GICUは心臓大血管手術後や食道癌術後などの大手術後ならびに小児重篤例を対象としていますが、入院中の方が感染症等の内科的疾患で重篤となった場合も収容して治療しております。集中治療部門に準じる部門として、GICUに隣接したハイケアユニットGHCU16床、心臓センター内の循環器疾患を対象としたハイケアユニットCHCU12床、脳卒中センターの脳卒中ケアユニットSCU12床があり、各科担当医が中心となり強化観察・治療を行っています。全病院700床中、1階救命救急センターの救急病床36床を合わせて計98床が新生児を除く集中治療および重症部門となっております。それぞれの部門を円滑かつ効率的に連携運用することにより、内科系ならびに外科系疾患の重篤病態からの迅速な回復を目指しております。
臨床評価指標ページ臨床研究
集中治療室では下記臨床研究を行っております。
研究課題名 | 詳細(PDF) |
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重症新型コロナウイルス感染症患者の臨床的特徴:単施設後方視的観察研究 | |
日本集中治療医学会主催のICU入室患者登録システム事業への参画:患者情報システムを用いた集中治療部の機能評価(JIPAD 事業) |
人工呼吸療法に関する疫学研究
当院麻酔科・救急科における臨床研究での患者さんの診療に関する記録の利用について
当院麻酔科・救急科では、集中治療室に入室している患者さんを対象にした「人工呼吸療法に関する疫学研究」を実施しています。
国際的には人工呼吸と呼吸器離脱に関する大規模な調査がされており、臨床的実践の変化も報告されています。しかし本邦では、現在まで行われていません。
そこで、平成26年度から全国の主要な病院が協力し、本邦で使用されている人工呼吸器の設定と、呼吸器設定に影響を与える可能性のある因子の調査を目的とした研究が始まっております。当院麻酔科、救急科でも平成27年5月1日から平成27年9月30日までの間に集中治療室に入室し、人工呼吸療法を受けた患者さんのデータを収集して、この研究の目的で使用する予定です。
この研究は、対象となる患者さんの日常診療で得られる診療に関する記録(検査結果など)を集めますが、特別な治療や検査を行うことはありませんので、患者さんに直接何らかの利益または不利益が生じることはありません。また、対象となった患者さんの住所・氏名など個人が同定されるような情報は、当院以外の第三者に知られることはありません。
ご自身(もしくはご家族)の診療記録がこの研究で利用されることについて異議のある方、または研究内容について詳しく聞きたい方は、担当医もしくは当院の研究責任者にお申し出ください。
当院における連絡先
神戸市立医療センター中央市民病院
<研究責任者> 麻酔科 浅香 葉子
〒650-0047 神戸市中央区港島南町2丁目1-1
TEL:078-302-4321, FAX:078-302-2487
研究事務局(本研究全般に関する問い合わせ先):
日本医科大学千葉北総病院 救命救急センター 斎藤 信行
〒270-1694 千葉県印西市鎌苅1715
TEL:0476-99-1111(内線2253) FAX:0467-99-1904
当院救急科における臨床研究での患者さんの診療に関する記録の利用について
当院救急集中治療室(EICU)では、下記の臨床研究を実施しております。
この研究では、患者さんの日常診療で得られたデータ(情報)を利用させていただきます。
研究の計画や内容などについて詳しくお知りになりたい方、ご自身のデータがこの研究で利用されることについて異議のある方、その他ご質問がある方は、以下の「問い合わせ先」へご連絡ください。
研究課題名
当院EICUにおける再挿管のリスク因子の検討
研究の目的
挿管人工呼吸管理中の患者さんを対象に、通常の診療で得られたデータを収集・解析することにより、再挿管のリスク因子を評価し、より良い治療法を確立することを目的としています。
対象となる患者さん
2014年1月1日から2016年5月31日の間にEICUに入室され48時間以上挿管人工呼吸管理を受けられた患者さん。
研究期間
当院の臨床研究倫理委員会承認日から 2017年 3月31日
使用させていただく診療データ
- 年齢、性別
- 病名、重症度
- 喀痰の量、性状
- 咳嗽力
- リハビリ進行度
- せん妄の有無 など
個人情報の取り扱いと倫理的事項
研究データは、患者さんを直接特定できる情報(お名前やカルテ番号など)を削除し匿名化しますので、当院のスタッフ以外が当院の患者さんを特定することはできません。
この研究成果は学会や学術雑誌などで発表することがありますが、その場合でも上記のとおり匿名化していますので、患者さんのプライバシーは守られます。
なお、この研究は、国の定めた指針に従い、当院の臨床研究倫理委員会の審査・承認を得て実施しています。
問い合わせ先(当院の連絡窓口)
神戸市立医療センター中央市民病院 救急科
研究責任医師 朱 祐珍
住所:神戸市中央区港島南町2丁目1-1
電話:078-302-4321