地域を支える8つの特徴
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視点に立った環境整備 地域医療機関との連携強化 研修・教育機能の充実 医療の発展を追求する
治験・臨床研究
01
救急医療の充実
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1.救命救急センター機能の充実
1階の「救命救急センター」では、救急専用の病床を1階に集約し、手術対応可能な処置室を用意する等、あらゆる重症患者に迅速に対応できるよう設備を整えております。救急病棟 32床、E-ICU 8床、CCU 6床、第2救急病棟 8床、MPU 8床と充実しております。
また、4階の手術部門は手術室18床のうち1室は救急専用の手術室として確保し、重症・重篤な救急患者を受け入れるために機能を強化しています。
2.施設配置面での工夫
1階フロアに「救命救急センター」とMRIや血管造影装置などがある「映像医学部門」を集約し、救急患者を上下移動させることなく検査を行うことができます。また、屋上へリポート、4階「手術部門」、1階「救命救急センター」を結ぶ、直結エレベーターを設置することで、重症・重篤な患者さんの院内移動をより迅速にできるようになり、救急患者が病院に到着後「検査・診断から治療まで」を迅速に行うことが可能です。
3.ハイリスク分娩への対応
重い妊娠中毒症や早産、ほかの病気を併せ持った妊娠など、命の危険性の高い出産に対応し、母体と胎児の命を守れるよう、新生児や母体・胎児向けの集中治療室(NICU(新生児集中治療室):9床、mFICU(母体・胎児集中治療管理室):6床)、ハイリスク分娩室等を確保するとともに、必要な設備・スタッフを整えることで「総合周産期母子医療センター」の指定を受けました。
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02
高度専門医療センター
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患者さんに、来院当初から内科系医師、外科系医師、放射線治療の専門医師、看護師、薬剤師、技師などがチームを組んで治療にあたれるよう、高度専門医療センターを新設し、最適な治療方法により初診から急性期を脱するまで一貫した治療を行います。
1.ロボット手術センター
患者さんにやさしい手術を提供できるよう2台の「ダ・ヴィンチ」を導入しています。
詳しく見る
2.心臓センター・脳卒中センター
一刻を争う心筋梗塞、狭心症、脳卒中に対して、救命救急センターとの連携の下、24時間対応します。
3.がんセンター
マルチスライスCTやPET-CTなどを利用してがんの早期発見を行い、手術・内視鏡・放射線(IMRTリニアック等)・化学療法などから最適な方法で治療を行います。また、平成25年4月より、患者さんにとってベストの治療を選択し、より専門的にがんに対応するため、「臓器別ユニット外来」を導入しました。
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4.感染症センター
第一種感染症指定医療機関として、鳥インフルエンザ、SARSなどの新興感染症から市民を守ります。
5.移植・再生医療センター
旧病院より対応しておりました造血幹細胞移植のほか、将来的には先端医療センターなどで研究・開発が進められ、安全性が確認された治療方法を提供していくことを想定しています。
6.成育医療センター
妊娠から出生、新生児期、小児期を経て思春期にいたるまで一貫した医療を提供します。
03
安全で安心な災害に強い病院
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1.ライフライン等の確保
電力、給水、医療ガス等のライフラインについては、設備機器や配線・配管等の二重化を図るとともに、災害に備え3日間分の備蓄を行っています。
- 患者の生命の尊厳と人権を尊重する
- 患者用給食・飲用水・雑用水
- 医療用ガス
- 医薬品・医療材料(常時3日分以上の在庫量を確保)
2.免震構造の導入等
「免震構造」の導入により、大きな揺れを抑え(震度6~7の地震が発生した場合でも、建物内では震度4程度の揺れに抑えるように設計)、患者さんや医療スタッフの安全を確保することに努めています。これに加えて設備機器や医療機器等は構造躯体に強固に固定することで損傷・転倒を防止し、病院機能を維持できるようにしています。
建物と地盤の間に免震装置(免震ゴム)を設置しています。地震の時には、この装置がはたらき、建物に揺れを伝えにくくします。写真の黒い部分が免震装置です。
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3.津波対策
現在、神戸市の「地域防災計画」の中では、「東南海・南海地震」が同時に発生し、かつ「最大津波が満潮時に重なった」場合の津波高さは、最大で標高3.9mと想定されています。※標高とは東京湾平均海面(TP)からの高さを示す。
中央市民病院の敷地の地盤高は、標高約7m、当病院に最も近いポートアイランド第2期の南西防波護岸高は、標高約8mであるため、満潮時に東南海・南海地震が発生した場合でも、十分に安全な地盤の高さを確保しています。
万が一、地下部分等が浸水したとしても病院機能が停止してしまうことのないよう以下のような工夫をしています。
- 地下階に診察や検査等の諸室を配置していないこと
- 電気室、非常用発電機室やコジェネレーション(常用発電機)室などを2階(標高12m程度)に配置していること
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4.その他
大規模災害事故発生時に患者さんを収容できるように講堂や外来フロアにスペースを確保(300人程度、合わせて1,000人程度)するとともに、酸素、吸引等の配管も行っており、「災害拠点病院」として有事の際にも、機能を十分に発揮し、迅速な対応が行える施設としています。
04
患者さんにやさしい医療の提供
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最新医療機器を設置し、患者さんの精神的・肉体的な負担の少ない治療(低侵襲治療)を積極的に採用します。
1.デイサージャリーセンター
社会的なアクティビティを極力落とさずに治療を受けたい患者さんや、ご家族と離れたくない、離れがたい事情をお持ちの患者さんなど、近年は従来の入院治療に代わって日帰り治療や入院期間の短縮を望まれる患者さんが数多くおられます。
デイサージャリーセンターでは日帰り手術、当日入院治療を行うことによって、時間的な制約・身体的・経済的な負担の軽減を図り、患者さんのニーズに合った治療を安心、かつ安全に受けていただけるよう取り組んでいます。
2.最新鋭の高度医療機器
手術室に血管造影装置を併設した「ハイブリッド手術装置」により、通常手術とカテーテル処置を同時に行うことが可能です。心筋梗塞や脳卒中などの治療成績の向上に寄与します。また、IMRT-リニアック(強度変調放射線治療装置)では腫瘍部分のみに放射線を集中して照射します。周囲の正常組織への照射を減らすことができるため、副作用を増加させることなく、より強い放射線を腫瘍に照射することが可能です。
3.入院前準備センター
入院前準備センターでは、診察室で医師から入院の説明を受けた患者さんが来られるところです。退院支援看護師や薬剤師、MSW等が退院後の生活を視野に入れ、医療や介護の継続の必要性を事前にチェックし関わっていきます。
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- 入院までに必要な検査や診察の予約をします。
- 日常生活の様子、これまでにかかられたことのある病気について問診をします。
- 入院前から退院までの治療計画等について説明します。
- 入院前から休薬(抗血栓薬)がないか、薬剤師と連携し、現在飲まれている薬を確認します。
- 喫煙、深部静脈血栓症、認知症のチェックを行い、安全・安楽に過ごせるようにお手伝いします。
- 円滑に退院できるように、入院前より患者総合支援センターと連携しています。
05
患者さん・ご家族の
視点に立った環境整備
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診察の流れを文字でお知らせする「院内呼び出し携帯端末」でご案内します。これにより、診察までの待ち時間に、屋上庭園やレストランなど、院内の好きな場所でお待ちいただくことができます。診察には電子カルテを利用し、検査結果や治療内容について、端末の画面を見ながら、わかりやすい説明を行います。また、会計には電子カルテと連動した自動精算機を多数導入し、会計の待ち時間もできるだけ短くするように工夫しています。病棟では、プライバシーに配慮するとともに、すべてのベッドが窓に面しており、個室感覚のある4床室を整備しています。
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06
地域医療機関との連携強化
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地域の医療・介護・福祉機関の皆さん方との連携の窓口として、2階外来フロアに「患者総合支援センター」を設置しています。患者さんのご紹介に伴うFAX・WEB予約や紹介予約患者さんの受付や他院への紹介予約を行っています。入院中の患者さんと外来通院中の患者さんの在宅療養や転院の調整をする医療ソーシャルワーカーや退院支援看護師が在籍しています。また、オープンカンファレンスやセミナーのご案内も行っています。
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07
研修・教育機能の充実
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優秀な医療従事者の育成・確保を図るとともに、病院全体の医療の質の向上、地域の医療水準の向上を目指し、基幹病院の責務である臨床研修・教育に積極的に取り組みます。
教育理念・教育方針
1.教育理念
優れた能力と豊かな人間性を持った医療人を育成します
2.教育方針
- 責任感と協調性を持って行動できる人を育てます
- 自ら成長し誇りをもって社会に貢献できる人を育てます
- 他者を思いやり尊敬する心をもてる人を育てます
教育部の概要
当院の教育理念のもと、教育部はすべての病院職員の教育・研修を支援していきます。臨床研修センター、人材育成センター、図書室も、教育部の組織のひとつです。
3.臨床研修センター
臨床研修センターは平成24年に初期研修医の臨床研修の充実と向上を目的に設立しました。当院では初期研修医1・2年次は臨床研修センターの所属となり、2年間の臨床研修を行います。センター長をはじめ各診療科・部門から集まったセンタースタッフ、事務職員計20名と初期研修医36名で、定期ミーティングの開催、初期研修医の採用時オリエンテーションや医学生の病院見学プログラムの企画・運営などを行っています。
センターでは事務スタッフ1名が常駐し、研修医と個々に話ができる環境を整え、研修生活を支援しています。また見学や実習に来られる医学生の対応も窓口となって行っています。
臨床研修プログラムの充実とレベルアップを図り、令和元年度に初期研修医が受験した基本的臨床能力評価試験では、全国370病院中、総合3位の成績を収めました。
4.人材育成センター
当院のすべての職種を対象に、病院職員の資質向上のための能力開発・スキルアップ支援を目的として平成28年4月に人材育成センターを設立しました。平成28年8月には研修棟が増築され、人材育成センター事務室、研修ホール、トレーニングラボ、外科系ラボを設置し、設備面でも教育・研修の充実を図っています。多職種研修や自己啓発支援等の人材育成に向けた取り組みを企画・立案し実施するのが主目的であり、平成29年度から人材育成センター主催で新規採用者を対象とした多職種研修や階層別研修(3年目研修・昇任時研修・コーチング研修)を実施しています。また、職員研修管理システムを構築し研修情報の発信や受講記録の管理も行います。
5.図書室
図書室は多数の医学誌、医学関連書籍を揃えるとともに、オンライン端末も整備して職員の自主研修、研究を支援していきます。ゆっくりと集中して情報収集、研究等ができるように静かで快適な利用環境を確保しています。
また、当院の連携登録医の先生方にも図書室をご利用いただけます。診療所と病院の地域連携によって患者さんの診療のお役に立てるように、当院図書室をご利用いただければ幸いです。
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08
医療の発展を追求する治験・臨床研究
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1.新たな医療への貢献
「より安全で、より有効な」医薬品・医療機器等を、より早く患者さんにお届けできるよう、新薬等の開発に貢献するための治験を積極的に受託、実施しています。また、より良い治療法を確立するための質の高い臨床研究にも人権の保護、安全性の確保、倫理的配慮のもと取り組み、生命の維持と生活の質の向上につながる新たな医療を創造することで、市民の健康の増進と医療の発展に貢献してまいります。
2.病産連携の推進
神戸医療産業都市のメディカルクラスターの中核を担う病院として、神戸医療産業都市に推進する企業や研究機関との共同開発や共同研究を行っています。医療従事者がもつ現場のニーズと企業の技術とをマッチングする機会を設け、治験や臨床研究を支援するスタッフが神戸発の医薬品・医療機器の開発をサポートしています。