がんゲノム検査外来について

がんゲノム医療とは

がんの組織などを用いて、がんに関連する多数の遺伝子を同時に調べ(がん遺伝子パネル検査)、遺伝子の異常(変異)を明らかにすることにより、一人一人の腫瘍特性や病状に合わせて治療などを行う医療です。特定の遺伝子変異ががんの増殖に重要な役割を果たしている場合(ドライバー遺伝子)、その遺伝子の働きを抑える薬剤(分子標的治療薬など)を用いることによって効果が得られる可能性があります。原発臓器に応じた従来の標準治療ではなく、がん細胞の遺伝子変異に基づいて薬剤を選択することが可能となります。

当院で実施しているがんゲノム検査(がん遺伝子パネル検査)

保険診療

オンコガイド NCCオンコパネル
ファウンデーションワン CDx
ファウンデーションワンLiquid

対象患者

標準治療がない、または局所進行もしくは転移が認められ標準治療が終了となった固形がん患者さん(終了見込みを含む)で、関連学会の化学療法に関するガイドライン等に基づき、全身状態・臓器機能等から「化学療法の適応となる可能性が高い」と主治医が判断した方(厚労省見解)

自費検査

ガーダント360(リキッドバイオプシー)

対象患者

保険診療としてのがんゲノム検査の適用とならない患者さんなど

対象となるがんの種類

固形がん(原発不明癌を含む)

検体の要件

この検査では、遺伝子解析のために、がん組織由来の核酸サンプルが必要です。そのためがんを含む組織(※)の病理ブロック、またはホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)切片をご提供いただきます。ガーダント360では、末梢血に存在する腫瘍由来のDNAを検査しますので(リキッドバイオプシー)、末梢血20mlのみで検査が可能です。

(※)がんを含む組織:がんの病理検査のために行った生検のサンプルあるいは手術の際に採取した組織サンプルを用います(ホルマリン浸漬時間48時間以内、採取後3年以内が望ましい)。

費用

検査前に「がんゲノム検査外来」を受診していただきます。保険診療としてがん遺伝子パネル検査を行う場合は、通常の保険診療として受診費用がかかります。

自費検査の場合の費用負担は、ガーダント360が約43万円となっています。

(注)この検査が開始された後であっても、検体がこの検査に適する状態にないことが判明した場合、この検査は中止されます。この検査が中止された場合であっても、その時点までに発生した費用を患者さんにご負担いただく必要があります。

検査結果について

検査結果返却までの期間は検査によって異なり、約3週間~5週間となります。ガーダント360は約10日で結果が返却されます。しかしながら、返却された遺伝子変異情報はそのままでは患者さんにお伝えすることはできません。がんゲノム医療に精通した専門家による検討会(エキスパートパネル)で、開示すべき情報や推奨治療・治験などについて検討を行うため1週間程度の時間が必要となります。

当院はがんゲノム医療連携病院として、がんゲノム医療中核拠点病院である京都大学病院と提携しており、中核拠点病院が開催するエキスパートパネルで症例検討を行った後に患者さんに結果を説明します。

ご留意いただきたいこと

がんに関わる遺伝子の変異については、未知の物も多数存在し、本検査を受けていただいても、有用な情報が得られないことがあります。また、がんゲノム検査を行っても、既承認薬がない等の理由で実際に治療ができる患者さんは10~20%程度にとどまります。遺伝子変異に基づいた治験や先進医療は少なく、未承認薬を適応外使用する場合には非常に高額な費用がかかるという問題点があります。

多数の遺伝子を検査するがんゲノム検査では、遺伝性腫瘍に関連する遺伝子変異が見つかる場合があります(二次的所見)。BRCA遺伝子変異に関係する遺伝性乳癌・卵巣癌症候群(HBOC)が有名ですが、それ以外にも該当する遺伝子が存在します。遺伝性腫瘍が疑われる場合、検査結果をどう解釈するか、確定診断のための遺伝子検査を受けるべきか、家族の検査が必要かなど、がんの早期発見や治療法など医学的問題に加えて、検査費用の問題や、家族関係・結婚・出産などの問題を整理し理解するために遺伝カウンセリングが必要です。当院では「家族性腫瘍相談外来」を設置しており、必要に応じて遺伝カウンセラーが対応しています。

がんゲノム検査外来では、単に検査や結果の説明を行うだけでなく、検査のメリット・デメリット、限界などについても時間をかけて丁寧に説明し、患者さんにとってどのような選択肢があるのか、一緒に考えさせていただきます。

がんゲノム検査申し込み方法

本検査をご検討される場合は、下記フロー図をご確認のうえ、「がんゲノム検査外来」をお申し込みください。

がん遺伝子パネル検査<保険適用フロー図>
がん遺伝子パネル検査<保険適用フロー図>

(※)がんゲノム検査外来は、火曜日午後のみとなっております。

当院を受診されている場合は、主治医に相談してください。

当院を受診されていない場合は、かかりつけ医にご相談の上、かかりつけ医から事前にFAX予約を取ってもらってください。
FAX予約に必要な書類は、「診療情報提供書」、「同意書」、「追加聞き取り項目(保険診療希望者のみ)」です。
当院の地域医療連携センター(FAX:078-302-2251)まで、FAX送信してください。

診療情報提供書
同意書の様式
追加聞き取り項目