血液内科

血液内科部長 石川隆之

神戸市立医療センター中央市民病院
血液内科部長
石川 隆之

血液内科は各種の原因による貧血もしくは多血症、血小板や白血球の減少もしくは増多症、血清蛋白の異常症、凝固因子欠損症などを対象としています。

血液内科は各種の原因による貧血もしくは多血症、血小板や白血球の減少もしくは増多症、血清蛋白の異常症、凝固因子欠損症などを対象としています。外来では鉄欠乏性貧血、溶血性貧血、巨赤芽球性貧血、特発性血小板減少性紫斑病などの非腫瘍性疾患患者も多く診療していますが、入院患者の大多数は急性白血病、骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの造血器悪性腫瘍です。同時に、当院は救命救急センターであり、血栓性血小板減少性紫斑病など迅速診断と速やかな専門的治療を要する稀少血液疾患患者さんが、神戸市内はもとより兵庫県全域から紹介されてきます。

当科と先端医療センター細胞治療科は、従来診療活動、病床利用ともに一体運用がなされてきましたが、本年11月に先端医療センターが中央市民病院に統合されることとなりました。病床運営のさらなる効率化、最適化により、診療能力のさらなるパワーアップを目指していきます。2017年4月現在、血液内科は当院スタッフ医師5名、先端医療センター細胞治療科のスタッフ医師2名、当院のクリニカルフェロー1名、および血液内科専攻医7名を加えた15名により運営されています。当院ならびに先端医療センターのスタッフ医師とクリニカルフェローの8名すべて日本血液学会の専門医で、4名は指導医の資格をもち、5名は日本造血細胞移植学会の認定医です。また、2017年4月より西神戸医療センターが神戸市民病院機構に加わりました。同センターの免疫血液内科とも従来以上に連携を深めることで、神戸市民により利便性の高い診療を提供したいと考えています。

各患者さんの治療方針は、学会の作成した診療ガイドラインなどをもとに、週1回の全体カンファレンスと回診を通じて決定されます。その一方、臨床経験豊富な中堅・ベテラン医師と意気軒昂な若手医師が融合した利点を生かすべく、毎日の入院診療は、4-5名の医師からなる診療チームを単位として行っています。各患者さんに主治医は置きますが、各診療チームで随時病状や治療方針の確認を行います。そのことにより、若手医師は常に上級医師の指導を受けることができ、入院から外来診療への移行に際してもスムースに引き継がれます。また、休日、夜間、学会出張時のみならず、主治医の急な体調不良時などに際しても患者さんに不利益は及びません。

造血器悪性腫瘍は、新規治療薬を含む薬物療法により、多くの患者さんで治癒もしくは長期間の生存が期待できるようになりました。しかし一部の患者さんでは、長期の生存に同種もしくは自家造血幹細胞移植がいまだ必要です。同種造血幹細胞移植は重篤な有害事象を伴いうる治療ですが、これを成功裏に行う秘訣は、患者さんの病状や体力をしっかり把握し、最適な時期に適切なドナーから移植を行うことです。当院では同種・自家造血幹細胞移植にも積極的に取り組み、多くの患者さんに質の高い生活を長期間送っていただけるよう今後も努力していきます。