診療内容・特長
〈腹腔鏡手術〉
腹部に小さな穴を数個あけ、内視鏡を挿入し、炭酸ガスで腹部内を充満させてテレビモニターを見ながら操作手術する方法で、開腹手術に比べ痛みが少なく、術後の回復も早く早期退院が可能です。内視鏡で拡大して見えるため繊細な剥離が可能で、腹部内圧が高いことと合わせて出血量が非常に少ないのが利点のひとつです。副腎腫瘍に対する副腎摘除術、無機能腎や腎癌に対する腎摘除術、腎癌の腫瘍部分だけを切除する腎部分切除術、腎盂尿管癌に対する腎尿管全摘除術、腎盂の出口が細くなる腎盂尿管移行部狭窄症に対する腎盂形成術、小児で精巣が陰嚢内に下降していない状態の停留精巣に対する精巣固定術など多くの適応があります。前立腺癌は平成18年4月より保健適応となり当院は平成18年8月より施設認定をクリアして保険診療を開始しました。これまで1600件以上の腹腔鏡手術を行い、重篤な合併症はありません。ここ数年では年間200件ほどになっております。
〈腎癌に対する腎部分切除術〉
腎臓は左右ふたつあり、通常は片方だけでも充分機能は果たせます。しかし、残った腎臓に癌が出来る可能性があります。他の原因で腎臓の働きが悪くなって腎不全になるかもしれません。腎癌が比較的小さくて表面に近い場合には、腫瘍だけを切除して残りの正常部分を温存することが可能です。腎の血管を一時遮断して、出血を最小限にして腫瘍を切除し、切除断面を縫い合わせます。腹腔鏡手術で行えば創が小さくてすみます。当科ではこれまでに260例以上の腹腔鏡下腎部分切除術を行い、ロボット手術も40例を超えました。