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臨床支援Clinical support

術中神経モニタリング

脳神経外科が行う多くの開頭手術(脳腫瘍摘出術、動脈瘤クリッピング術等)時に運動誘発電位(motor evoked potential:MEP)を中心に術中神経モニタリングを行っている。全身麻酔下で行われる手術では、術操作による四肢の麻痺、聴覚機能低下、視覚機能低下など術中合併症が起こり得ることがあるが、これらの神経脱落症状は術後に覚醒した時点での評価しか行えない。しかし、電気生理学的術中神経モニタリングでは全身麻酔下でリアルタイムに上述した神経脱落症状が発生した時点で検知し得ることより、術中に回避し得る手技を行うことにより手術合併症を回避し得る。マイクロサージャリー下で行われる術野を常に観察し、外科医、麻酔科医と常に連携を取りながら、必要なモニタリング項目をセレクトし手術の最初から最後までモニタリングを行っている。
 脳神経外科の種々の開頭術、心臓血管外科の胸腹部人口血管置換術、整形外科の脊髄手術、耳鼻科の人工内耳埋め込み術の術中機能評価などを合わせ年間100例以上の術中モニタリングを行っている


       

造血器腫瘍関連検査

   

造血器腫瘍診療において、フローサイトメトリーを用いた造血器腫瘍細胞抗原検査やPCR法を用いたLgL再構成遺伝子検査は確定診断、治療方針の決定および治療効果のモニタリングに重要な役割を果たしており、今や必須の検査となっている。しかしながら、大学病院を含め院内実施施設は少なく、 結果報告に1週間程度を要することがある。血液内科の専門医が常勤する当院の細胞遺伝子検査室では、フローサイトメトリーを用いた造血器腫瘍細胞抗原検査(CD抗原)、PCR法を用いた造血器腫瘍遺伝子検査(Majer-bcr/abl等)、免疫関連遺伝子再構成検査(IgH再構成等)、造血幹細胞移植後のキメリズム解析などを実施しており、造血器腫瘍の確定診断から治療効果の判定、造血幹細胞移植後のドナー細胞の生着の確認までのすべての過程における検査項目を実施している(一部の他の病院からは受託を受けている)。また、結果報告の迅速化にも努めており、翌日には報告できる体制をとっている。


研修医の教育

医師を検査部で受入れて、グラム染色や輸血検査、超音波検査等の臨地実習(年間約30名)を行う他超音波検査研修の様子、新規採用研修医を対象とした心臓・腹部・頸動脈超音波講習会(年3回)、グラム染色カンファレンス(毎週1回)等をおこない、救急臨床現場で役立つスキルを持った医師の育成に貢献している。






異常データー解析

 日常検査では解明できない異常に対する精査分析および患者固有の質的異常により正確に分析できない症例の解析を行う。さらに、関連病院からの紹介患者で臨床症状と検査結果が一致しない症例などに対し、検査結果の疑義確認、原因究明など臨床からの要望のあった解析を実施する。このように日常検査以外で異常データーの解析など付加価値のある情報を報告することにより、臨床を支援し患者様へのサービスに努める。

1.酵素結合性免疫グロブリンの解析

患者体内で酵素と免疫グロブリンが結合し、高分子化することにより腎臓からの排泄が遅延し血中酵素活性が上昇する場合がある。高値の原因の究明がなされなければ不要の検査や投薬がなされてしまうため、酵素結合性免疫グロブリンの有無の検索を実施している。特に、当院では同時期に膵臓由来酵素であるアミラーゼとリパーゼが上昇し、明らかに膵疾患が疑われる検査結果であったが、精査の結果、両酵素が免疫グロブリンと結合することによる上昇であることを明らかにした。この症例は本邦での第一例であった 1,2)。

2.腫瘍マーカーの偽陽性の解析

近年、各種腫瘍マーカーが測定されているが、稀に、臨床経過や画像診断上、悪性疾患が否定されるのに腫瘍マーカーのみ上昇を示す症例がある。この結果が、真の陽性なのか偽陽性なのか識別することは無駄な医療行為をなくすのみならず、患者様に無用の不安から開放するため必要である。当院においても、卵巣癌のマーカーであるCA125や膵臓癌のマーカーであるCA19-9に対し、本来のマーカーより低分子である免疫グロブリン様物質に起因して腫瘍マーカーが上昇することを明らかにした 3,4)。臨床経過や画像診断結果と一致しない症例において精査を実施し、偽陽性か否かを解析している。

3.患者固有の質的異常により日常検査が実施不能症例の解析

多発性骨髄腫例で、真空採血後血清分離する際に血清が白濁ゲル化し、正確に日常検査を実施できない症例に遭遇した。精査の結果、この症例は採血管の開栓時にM蛋白成分が空気と接触し、直ちに白濁ゲル化する非常に稀な症例であることを解明した 5,6)。このような、今まで報告例のない特異な検体に対しては、原因を究明し、その現象を回避し、患者データーを正確に報告することが出来るかが重要であり、不正確なデーターの報告は診断や治療に影響をおよぼすことになる。

4.稀少症例の臨床検査学的解析

μ鎖病の解析
免疫電気泳動実施時に、蛋白電気泳動像と免疫電気泳動像にわずかな異常を認め、臨床医と情報交換を行いながら、精査(Immunofixation法 Immunoselection法 カラムゲル濾過法 SDS-PAGE電気泳動法 免疫ブロティング法)を実施し同定を行った 7)。


CK-MM分画の欠損
臨床症状上急性心筋梗塞を強く疑う症例であるにもかかわらず、日常検査では血清CK値の上昇が認められず、CK-MM分画が検出されない症例を経験した。生化学的、免疫化学的検索を行い、CK-MM分画の欠損を明らかにした8)。     

5.参考文献

1) 山城明子,老田達雄,ア園賢治,笠倉新平,他.血清中に高分子アミラーゼと高分子膵リパーゼが同時に検出された一症例.臨床病理 45:391-394,1997

2) 老田達雄,山城明子,水谷文子,田村明代,他.同時期に高分子アミラーゼと高分子膵リパーゼが血清中に検出されたCeliac 病の一例.臨床病理 45:974-977,2003

3) 金子祐一郎,井本秀志,福田勝宏,笠倉新平.EIA法測定でCA125の非特異的異常値を呈する現象の原因物質の解析.臨床病理 40:948-952,1992

4) 金子祐一郎,柴田洋子,中村仁美,黒田真百美,他.健常人においてCA19-9異常高値を呈する現象の解析.臨床病理 47:943-948,1999

5) 老田達雄,山城明子,ア園賢治,笠倉新平,他.空気接触により患者血清が白濁沈殿を呈したIgG型多発性骨髄腫の一例.臨床病理 50:404-409,2002

6) 老田達雄,矢木宏和,山城明子,ア園賢治,他.2年間にわたるIgG型多発性骨髄腫血清のIgG糖鎖プロファイリング.臨床病理 55:626-629,2007

7) 田村明代,山城明子,水谷文子,老田達雄,他.μ鎖病における遊離μ鎖蛋白の免疫学的検索とその性状.臨床病理 51:847-851,2003

8) 老田達雄,井本秀志,相馬正幸,ア園賢治,他.Creatine Kinase MM 分画の欠損.臨床病理 36:1045-1050,1988


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