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◆◆特集第22号◆◆        

検体検査室の紹介
              検体検査室  入江 礼香  


 皆さんが病院に来て採血をした後、その採血管は検体検査室に運ばれてきます。血液だけでなく尿検体やその他検体も運ばれてきます。そして、生化学検査・血液検査・一般検査等に分類し、様々な検査項目を測定しています。


 

 採血は、大人になっても少し怖いと感じる方も多いのではないでしょうか。
採血管がたくさん出てくると、ギョッとしますよね。 血液の総量は体重のおよそ8%なので、体重が50㎏の人では血液量は4000mL程度あります。 先生がオーダーする検査項目によりますが、平均採取量10~20mL、 採血管の本数が最も多い人でも50mLくらいなので心配いりません。 そんなに多くはないのだと知っていれば少し安心ですよね。
        

 
 
 検査には、全血(血液のまま)を用いるもの、血液を凝固させて分離した上澄み(血清)を用いるもの、抗凝固剤を混ぜて血液を固まらなくして分離した上澄み(血漿)を用いるものなど、検査する目的に応じて採血管の種類や本数が異なります。また、血液の凝固を防ぐ抗凝固剤にも検査項目によっていくつかの種類があります。抗凝固剤には血液の細胞を観察するのに適したEDTA(塩)や、血液ガスの測定に利用されるヘパリンなどがよく使用されています。

 血球(赤血球・白血球・血小板)は全て造血幹細胞から分化して作られます。 この造血幹細胞から成熟血液細胞になる過程(造血)は成人の場合、頭蓋骨や胸骨、肋骨、大腿骨などの骨髄で行われます。しかし骨髄の発達が未熟な段階である胎生期には主に肝臓や脾臓で造血が行われ、出生後に造血の場が骨髄へと徐々に代わっていきます。



 血液の約45%は赤血球・白血球・血小板などの細胞成分で占められています。これらをまとめて血球といいます。残りの約55%は血漿とよばれています。血漿の90%が水、それに電解質(Na、K、CL等)や蛋白質、糖、アミノ酸、脂質、ビタミンやホルモン、老廃物などが溶けています。何らかの疾患や病態によっては、血液中の成分のバランスが変化したり、健康時には見られないような成分が現れたりします。



 赤血球の主な役割は酸素運搬です。これはヘモグロビンが酸素と結合する能力を持っていることで成り立っています。赤血球の成分は蛋白質と電解質溶液で、蛋白質の95%以上がヘモグロビンです。 赤血球にも寿命があります。120日間体内で活動した赤血球はマクロファージにより食べられ消えていってしまいます。




①ALT(GPT)  参考基準値 8-40 U/L  
 肝臓に多く含まれている酵素です。  
 肝臓の障害、肝臓が生成する胆汁が流れる胆道の障害が起こると血液中に漏れ出し、
 濃度が高くなります。

②AST(GOT)  参考基準値 8-40 U/L  
 肝細胞をはじめ、腎臓や心臓の細胞内に多く含まれてる酵素です。
 肝細胞などに障害が起こると血液中に流れ出るので、濃度が高くなります。
 他の検査結果との関係性を見ながら、肝臓の障害の有無を判断します。

③γ-GT     参考基準値 <70 U/L
 肝臓、腎臓、膵臓、小腸などに含まれている酵素です。
 肝臓の働きの1つであるアルコールや薬剤などを解毒する際、その働きを助けます。
 そのため、飲酒により数値が高くなります。

④LD      参考基準値 120-250 U/L
 肝臓をはじめ、心筋、血液、筋肉などの様々な臓器に存在する酵素です。
 細胞がダメージを受けると血液中に流れだし、濃度が高くなります。
 他の検査結果との関係性を見ながら、肝臓の障害の有無を判断します。

⑤総蛋白、アルブミン 参考基準値 総蛋白 6.5-8.5 g/dL ,アルブミン 3.9-4.9 g/dL 
 肝臓には蛋白の合成を行う働きがあります。
 肝臓の機能が低下すると、生成される蛋白の量が減るため、肝臓の異常を見つけることが出来ます。    この検査では、血液から(赤血球や白血球などの)血球成分を除いた血清を用いて行います。
 アルブミンは蛋白の一種で、血清蛋白のおよそ半分以上を占めています。

  


  

 患者さまの待ち時間を少しでも短くするため、そして正確で信頼できる検査データを提供するため、我々スタッフ一同全力で取り組んでおります。

 それでも、検体が検査室に到着してから、各検査項目毎に仕分けられ、必要な処理(遠心分離など)を行った後、測定を行い結果が出るまでには約1時間程度必要です。そして、前回測定した結果と大きく変化している場合や基準値を超えている場合には再検査を行うことで、正しい検査結果を報告するように努めています。

  


検査部ニュース

------学術関係報告---------

【学会報告、講演】
1. 堀香菜、太田光彦、大畑淳子、野村菜美子、野本奈津美、菅沼直生子、紺田利子、藤井洋子、
角田敏明、谷知子、古川裕、小山忠明:大動脈弁置換術前後における左室流出路の形態変化:
三次元経食道心エコー図を用いた検討.日本心エコー図学会第28回学術集会,名古屋,2017.4.23
2. 丸岡隼人:抗体パネル作成の基礎知識と抗体パネル作成ワークショップ.
BD FACS クリニカルソリューションセミナー IN 京都 2017, 京都,2017.5.20
3. 森田明子:胸水中に腫瘍細胞が出現した胎児型横紋筋肉腫の1例.
第58回日本臨床細胞学会総会 春期大会、大阪、2017.5.27.
4. 菅原雅史、田代章人、南 佳織、森本美咲、尾松雅仁、森田明子、松浦亮一郎、井本秀志:
肺癌における2種類のクローンの抗PD-L1抗体の染色性についての検討.
第66回日本医学検査学会、千葉、2017.6.17.
5.南 佳織、菅原雅史、田代章人、森本美咲、尾松雅仁、森田明子、松浦亮一郎、井本秀志:
CK-MNF116の染色性に異常が認められた一症例.第66回日本医学検査学会、千葉、2017.6.17.
6.森本美咲、菅原雅史、田代章人、南 佳織、尾松雅仁、森田明子、松浦亮一郎、井本秀志:
腎血管筋脂肪腫におけるE-cadherinの発現:第66回日本医学検査学会、千葉、2017.6.18.
7. 森田明子:混合表現型急性白血病(MPAL)の3症例.第66回日本医学検査学会,千葉、2017.6.18.
8.丸岡隼人:B細胞性悪性リンパ腫の診断における免疫グロブリン遺伝子再構成検査の有用性
-微量生検材料を対象として-.第66回日本医学検査学会、千葉、2017.6.18.
9.矢野由希子:Hairy cell leukemia患者5例におけるBRAFV600E変異の検出.
第66回日本医学検査学会、千葉、2017.6.18.
10.佐々木一朗:大脳誘発電位の基本と応用(検査室と手術室).
第66回日本医学検査学会スキルアップセミナー、千葉、2017.6.16.
11.佐々木一朗:高感度脳波記録環境シミュレータを用いた教育モデルの導入と効果.
第66回日本医学検査学会スキルアップセミナー、千葉、2017.6.17.
12.菅沼直生子、紺田利子、藤井洋子、野本奈津美、野村菜美子、大畑淳子、掘香奈、山本駿、
城本千裕、長野真弥、角田敏明:開心術後に急速拡大した心尖部echo free spaceを偶発的に捉え
診断に至った1例.第85回神戸臨床心エコー図研究会、神戸、2017.06.10
13.森田明子、丸岡隼人:急性骨髄性白血病におけるFLT3-ITD,NPM1変異と抗原発現の関連について.
第18回日本検査血液学会、札幌、2017.7.22
14.丸岡隼人,小野祐一郎,加藤大祐,平本展大,末岡馨,矢野由希子,吉田昌弘,森田明子,簑輪和士,石川隆之:
B細胞分離とHRM解析を用いた原発性マクログロブリン血症におけるMYD88L265P変異解析法.
第18回日本検査血液学会、札幌、2017.7.23
15.末岡馨,丸岡隼人,吉田昌弘,白石祐美,矢野由希子,簑輪和士,石川隆之:Multiplex PCR法を 用いた
骨髄増殖性腫瘍における遺伝子変異検出法の確立. 第18回日本検査血液学会、札幌、2017.7.23
16. 佐々木一朗:法的脳死判定について~A to Z~.平成29年度5類型対象施設研修会,茨 城,2017.7.1


あとがき

 “夏の暑さもあと少し”と思ってからが毎年長い気がします。夏の疲れが出たのか風邪をひきかけてしまいました。夏は外気温とクーラーのきいた室内との温度差で体調を崩しやすいそうです。熱中症はもちろんのこと体調管理には注意しましょう。
 お買い物に出かけると、お店のカラーはすっかり秋色に変わっていました。植え込みから時々虫の声が聞こえるようにもなりました。秋はそこまで来ています。涼しくなってからのお出かけやイベントを楽しみに、好きなアイスやスイーツを食べたりして少し自分を甘やかしながら夏を乗り切りたいと思います。皆様も頑張り過ぎて夏バテなどされませんように。

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