当院での研修を考える若手医師へ

はじめに

みなさんは、呼吸器外科と聞いてどんなイメージをもたれるでしょうか。術者がテレビモニタをみながら棒を動かしているうちに、小さな穴から大きな肺がむにゅむにゅと登場するシーンを思い浮かべて頂けるでしょうか。最近の呼吸器外科手術の多くはこのような胸腔鏡補助下手術(VATS)で行われており、かつての肺癌などで大開胸を要した手術とは異なり、非常に低侵襲となってきています。また呼吸器外科が扱う疾患には、肺癌、気胸といった呼吸器疾患の他に、呼吸器とは言いながら縦隔腫瘍、胸部外傷(肋骨骨折)などたくさんの疾患があります。そして現在、日本における呼吸器外科手術件数は診断技術の発達や高齢化等の理由により増加傾向であり、バリエーションにも症例数にも富んだ大変将来有望な科です。

当院の特徴

当院の呼吸器外科では肺癌の手術はもちろんですが、その他にも気胸、縦隔腫瘍、手掌多汗症、胸部外傷(肋骨骨折・血気胸・肺挫傷等)、肺生検などの手術も行っています。手術件数は年々増加傾向であり、肺癌手術件数は年間約180例程度、その他の手術件数も含めると年間約360例程度と関西の呼吸器外科の一翼を担っています。

術式は胸腔鏡補助下手術の中でも完全鏡視下手術(Complete VATS)といった最も傷が小さいものを基本的に行っており、肺癌手術のほぼ100%をこの術式で試行し、開胸へ移行することは多くありません。また他院で手術が困難とされた患者さんも当院に多く紹介を頂いております。具体的には間質性肺炎合併の例、全面癒着が疑われる例、心臓バイパス術後の例などの方であっても根治性・機能温存を考慮した上で適応を検討し、手術を行っております。

現在はスタッフ3名、専攻医3名の計6名ですが、それぞれの医師が患者全員を診るため、術後管理もしっかりと行われております。

初期研修医に最適!

  • 初期研修医も呼吸器外科チームメンバーの一員として裁量権をもって診療にあたってもらいます。まずは自身の力でアセスメントし、専攻医・スタッフと相談しながら共に患者さんの治療方針を決めていきます。
  • 将来、他の病院で勤務するようになれば当直中に自分で気胸患者さんにドレーン挿入をしなければならない事態に遭遇することが十分あり得ます。当科ローテート中はほぼ全例のドレーン挿入をしてもらいますので(もちろん上級医が教えながらです)、短期間のローテートでもドレーン挿入・管理の技術を身に付けることが出来ます。
  • 胸部レントゲンや胸部CTは毎回読影しますし、実際の解剖を胸腔鏡で胸腔内から確認できるため、かなり読影の実力が付きます。

専攻医にも最高!

  • スタッフはみな優しく、また患者全員を把握しているため相談もしやすい環境ですので、大変働きやすいです。
  • 論文・学会発表にも力を入れており、Academic Surgeon育成・実践の場となっています。
  • 複数の合併症を抱えた患者さんの紹介が多く、術後管理に非常に強くなります。
  • 専攻医の初めの頃からしっかりと執刀が回ってきます。上級医からのフィードバックがかなりありますので、成長が非常に速いです。
  • 他の病院ではあまりない胸部外傷が非常に多く経験できます。
  • 週に1回程度は呼吸器内科と合同で気管支内視鏡検査を行います。
  • 後期研修終了後は当科スタッフ、他病院勤務(国立がん研究センター、大学病院など)と、皆さん様々な進路を選ばれています。

レジデントの生活

8時〜 病棟業務、抄読会、カンファランス
9時〜 手術、気管支内視鏡検査、外来
18時〜 病棟業務、自習
21時〜 帰宅
定期手術 月水金、6件/週 程度
臨時・緊急手術 1,2件/週 程度

呼吸器外科のおもしろさ

呼吸器外科は、胸郭という狭い領域にありながら、肺という命に直結する臓器を対象とします。肺は、木綿豆腐のように柔らかい肺動脈を始めとした重要な血管や気管支が3次元に複雑に入り組む構造となっており、更にそれを胸腔鏡で処理していくさまは、繊細さとダイナミックさが共存しており、外科医としてやりがいがあります。また患者さんも術翌日から食事を開始し、数日で退院される方が多く、元気に帰られる姿を見てやりがいを強く感じます。

まだ将来の科をどこにしようか迷われている方は、ぜひ一度呼吸器外科を見学あるいはローテートされることをお勧めします。専門性が非常に高い科なので向き不向きがfeelingで感じられますし、マッチする方はきっと探し物が見つかったようにビビッときます。

みなさんの見学・ローテートを心よりお待ちしています。