耳鼻咽喉科

耳鼻咽喉科部長 内藤 泰

神戸市立医療センター中央市民病院
耳鼻咽喉科部長
内藤 泰

耳鼻咽喉科は感覚器とコミュニケーションの診療科です。音楽を聴く、会話する、おいしく食べる、身体バランスと姿勢など、ヒトのQOLの根幹を支えます。

当科では耳、鼻、のどの基本的な病気の治療を行うとともに、神戸市民の医療の最後の砦として、多くの医療機関から患者さんのご紹介をいただき、当院でなくてはできない高度の専門的診療も行っています。また、当院では救急・救命センターが24時間、365日休まず稼働しており、急病や手術後のフォローに、万全の態勢で臨んでいます。つまり、当科は耳鼻咽喉科のあらゆる疾患に対する診療体制がいつでも準備されている、全国トップクラスの耳鼻咽喉科クリニックということができます。例えば2014年度の手術件数を見ると、代表的な耳の手術である慢性中耳炎と中耳真珠腫の手術は123件で全国15位、高度難聴に対する人工内耳手術は72件で全国2位でした(DPC全国統計による)。特に人工内耳手術件数は、その後さらに増加しており、これは良好な手術結果が患者さんとそのご家族に支持されていることを表していると考えています。

我々が安全で高い診療レベルを保てている理由は、豊富な臨床経験と多職種からなるチーム医療体制に加えて、毎週定例で行なっている診療科カンファレンスと教育的シリーズレクチャーなど、教育と研修に常に努力していることにあると思います。当科は常に、すべての手術例について事前に十分な議論を行い、それぞれの患者さんのためにベストの治療を探求しています。教育レクチャーでは当科所属の医師が、耳鼻咽喉科の中の特定の領域について調べ、カンファレンスで講義することで、診療レベルの向上を図っています。また、海外からの講師を招いたセミナーも随時行っています。当科の部長は全国学会や国際学会で教育講演やシンポジウム等を多数担当しており、指導医は全員、1回以上の更新を経た専門医で、全国学会でシンポジストやパネリストを担当するエキスパートです。

我々が国際医学誌に発表した研究論文のうち最近のものを以下にお示しします。いずれも当科の若手医師が指導医のもとに実地臨床から新しい医学的知見を得て論文としてまとめたものです。特に、3番目に挙げた論文は当科とメルボルン大学(オーストラリア)との人工内耳に関する共同研究論文です。

  • Tona R, Naito Y, Moroto S, et al. Audio-visual integration during speech perception in prelingually deafened Japanese children revealed by the McGurk effect. Int J Pediatr Otorhinolaryngol 2015; 79: 2072-8.
  • Kishimoto I, Moroto S, Fujiwara K, et al. Bilateral duplication of the internal auditory canal: a case with successful cochlear implantation. Int J Pediatr Otorhinolaryngol 2015; 79: 1595-8.
  • Yamazaki H, Leigh J, Briggs R, Naito Y. Usefulness of MRI and EABR Testing for Predicting CI Outcomes Immediately After Cochlear Implantation in Cases With Cochlear Nerve Deficiency. Otol Neurotol 2015; 36: 977-84.
  • Yamazaki H, Naito Y, Moroto S, et al. SLC26A4 p.Thr410Met homozygous mutation in a patient with a cystic cochlea and an enlarged vestibular aqueduct showing characteristic features of incomplete partition type I and II. Int J Pediatr Otorhinolaryngol 2014; 78:2322-6
  • Yamazaki H, Naito Y, Fujiwara K, et al. Electrically evoked auditory brainstem response-based evaluation of the spatial distribution of auditory neuronal tissue in common cavity deformities. Otol Neurotol 2014; 35: 1394-402.
  • Kanazawa Y, Naito Y, Tona R, et al. Predictive value of middle ear aeration before second-stage operation in staged tympanoplasty with soft-wall reconstruction. Acta Otolaryngol 2014; 134: 135-9.
  • Kishimoto I, Yamazaki H, Naito Y, et al. Clinical features of rapidly progressive bilateral sensorineural hearing loss. Acta Otolaryngol 2014; 134: 58-65.

また、部長の最近の著書も以下に挙げます。

  • 内藤 泰 専門編集:めまいを見分ける・治療する.中山書店、東京、2012
  • Yasushi Naito: Pediatric Ear Diseases – Diagnostic Imaging Atlas and Case Reports. Kargar, Basel, 2013

豊富な経験と手厚い診療体制により、患者さんのために安全で最適な治療を行うのが当科のポリシーです。

外来診療

当科の外来診療は地域の診療所や病院の先生からのご紹介を基本としており、紹介医の先生と我々がチームとなって、手術などの急性期医療から術後フォローを含む慢性期医療までを安定して提供しています。

扁桃腺の手術

当科では、扁桃腺の手術(写真)など耳鼻咽喉科の基本的な治療から、高度の技術と診療体制を要する神経耳科手術(人工内耳や頭蓋底手術など)、待ったなしの救急診療(深頸部膿瘍や急性喉頭蓋炎、重度の鼻出血など)まで、広い範囲を安全にカバーしています。