主な疾患・治療法

当科は凝固異常症を含めて血液疾患全般を対象に診療を行っていますが、なかでも頻度の高い以下の疾患と同種造血幹細胞移植に対する当科での取り組みを記します。

急性骨髄性白血病

若い方にもみられる病気ですが、加齢によって発症率が高まるため、当院受診患者の年齢中央値はおよそ60歳です。治療の目的は若い患者さんでは治癒、高齢者では治癒もしくは自宅で通常の生活を送れる時間を作ることにあります。そのために、まずは抗がん剤を用いた治療(化学療法)を行い、血液の成分が正常に回復する状態(完全寛解と呼びます)を目指します。

急性リンパ性白血病

子供に多い病気で、内科領域でも40歳以下の患者さんが多いです。25歳以下では小児科で行われてきた化学療法を行い、それ以上の患者さんにはHyperCVAD/HD-MAという内科領域で編み出された治療法を主に行っています。

悪性リンパ腫

21世紀になってリツキシマブやベンダムスチンなどの新規薬剤が導入され、B細胞性リンパ腫においては治療成績の大幅な改善が得られました。今後も多くの新規薬剤の導入が期待されています。最も頻度の高い病型であるび漫性大細胞B細胞リンパ腫の5年生存率は68%に達しています。

多発性骨髄腫

この病気では骨がもろくなって骨折したり、腎機能障害から血液透析が必要になったりと、血液以外の臓器症状を伴います。以前は治療に難渋した病気でしたが、21世紀になって登場した新規薬剤により目覚ましい治療成績の改善が得られつつあります。

骨髄異形成症候群

白血病になる確率により低リスク群と高リスク群に大別されます。低リスク群骨髄異形成症候群では輸血などの支持療法のほか、造血回復を目指してエリスロポイエチン療法や免疫抑制療法、病型によってはレナリドミドが用いられます。

同種造血幹細胞移植

造血器腫瘍の治療において同種造血幹細胞移植は化学療法とともに車の両輪を構成します。しかし、移植片対宿主病など時に致命的になる重篤な有害事象の危険があり、当院では70歳以上の患者には行っておりません。当院では待ち時間なしで同種造血幹細胞移植が行えています。同種造血幹細胞移植後の各種併発症に際しては、先端医療センターの網羅的ウイルス解析などが重要な情報を与えてくれます。