各診療科・各部門からのメッセージ

各診療科・各部門からのメッセージ

神戸市立医療センター中央市民病院
循環器内科部長

古川 裕

これまでの10年とこれからの10年

現病院への移転とともに、心カテ室の2室から3室への増室、心エコーなど生理検査部門の拡充、救急→心カテ室→CCUの急性心筋梗塞診療の導線の最適化、他院に先んじたハイブリッド手術室の設置など、循環器診療のためのハードウェアは大いに充実しました。これらを活用し、これまでの10年間で、急性心筋梗塞治療までの時間の短縮など循環器救急診療の改善、心房細動などへのアブレーション治療の発展、大動脈弁狭窄症や僧帽弁閉鎖不全症など構造的心疾患のカテーテル治療の導入など、循環器診療の拡大と診療レベルの向上を成し遂げてきました。これからの10年間で日本の社会構造の変化とともに、循環器領域においても高齢患者さんの診療の比重が一層重くなり、対象となる疾患の割合や(より低侵襲な方向へと)治療法も変わるはずですが、神戸の基幹病院として、その時々に求められる循環器診療を実践するという意味では今後も変わらない循環器内科でありたいと考えています。

神戸市立医療センター中央市民病院
糖尿病・内分泌内科部長

松岡 直樹

これまでの10年

当診療科の特色として、通常の糖尿病・内分泌代謝疾患の診療に加え、甲状腺癌の放射性ヨード治療を行っている点があります。さらに、当院は救急病院であるため、通常診療だけでなく他疾患で通院や入院する患者さんの糖尿病・内分泌疾患の診療を行うことが役割と考えています。これまでの10年もこれからの10年もこの役割を果たせるよう、スタッフ一同努力を続けていきます。
病診の役割をふまえ、病状の安定した患者さんにはかかりつけ医での診療を依頼しています。当院における我々の役割を果たすためにも、患者さんにはご協力いただきますようお願いいたします。

神戸市立医療センター中央市民病院
腎臓内科部長

吉本 明弘

腎臓内科のこれまでの10年とこれからの10年

腎臓内科では尿検査異常(蛋白尿、血尿)から腎不全、腎代替療法(血液透析、腹膜透析、腎移植)まで、「腎から全身を診る」をモットーに腎臓に関わる様々な症状の診療にあたっています。2011年には新病院に初めて透析センターを設立し、専任のメディカルスタッフも配属され、以後、高度先端医療を行える腎臓・血液浄化センターとしての機能を整備・拡充してきました。また、患者さんにより一層腎臓病を理解していただくために、管理栄養士、薬剤師、看護師、検査技師、臨床工学技士などとチーム医療を実践しています。さらに近年、腎不全外科(シャント手術、シャントPTA)領域や腫瘍内科と協働してのOnco-nephrology領域、集中治療部と協働してのCritical Care Nephrology領域の充実にも力を注いでいます。今後はAIを用いることでより正確な腎不全の進行予測や腎炎の診断などが可能となり、さらに腎疾患領域での再生医療や細胞治療の臨床応用も期待されます。当科でもそれに対応しうる体制を整えていきたいと考えています。これからも患者さんの期待に応え、最高水準のよりよい医療を提供できるように地域の先生方とともに腎疾患診療にあたっていきたいと思いますので、ご協力の程何卒宜しくお願いいたします。

神戸市立医療センター中央市民病院
脳神経内科部長

川本 未知

脳神経内科 「これまでの10年とこれからの10年」

頭痛、手足のしびれ、ふるえ、認知症といったよくある疾患から脳卒中、けいれん重積などの神経救急疾患、パーキンソン病やALSなどの神経難病まで、多彩な領域をカバーしつつ、どの領域においても最良の医療が提供できる国内有数の脳神経内科とすることに注力した10年でした。また、質の高い人材を確保し、教育をすることを大切にした10年でもあり、多数の優秀な専門医が当科から巣立っていきました。
これからの10年は自分たちの病院にとどまらず、遺伝子をはじめとする世界中のデータベースにリアルタイムにアクセスし、これから発展するであろうAIを活用しながら迅速に正確な診断と最先端の治療ができる診療科を目指します。また治療にとどまらず神経疾患の予防や早期発見につながるようなネットワークを構築し、その拠点施設としての責任を担いたい。COVID-19 で生じた打撃を、新しい時代への変革ととらえ前に進みたいと考えています。

神戸市立医療センター中央市民病院
副院長兼消化器内科部長

猪熊 哲朗

消化器内科のこれまでの10年とこれからの10年

中央市民病院は2011年7月に現在の地に移転しました。
旧病院(1.3キロ北に位置)からの移転は、「電子カルテ」の導入でスタートしました。「紙カルテ」から「電子カルテ」の移行は医療を劇的に変化させました。画像は「フィルム」からディスプレイで確認するようになり、診療内容はキーボードで端末に入力するようになりました。
内視鏡センターも一新されました。旧病院の1.5倍の広さとなり、800㎡を越えるスペースに7室の検査室と2室のX線透視室を設け、広いリカバリーコーナーを設けました。検査後に十分な休息を取ることができるため、現在、ほぼ全例でセデーション(鎮静)下の内視鏡検査を受けていただけます。この10年間で内視鏡検査件数はほぼ2倍になり、年間18,000件の検査を実施しています。また、当科入院患者数も年間2,300名と増加しました。その1/3を緊急入院の患者さんが占めるのも、全国一の救命救急センター(7年連続、厚生労働省評価による)を有する当院の特徴と考えています。
しかし、10年目を迎えた本年は、新型コロナウィルス感染症対応で病院の業務は一変しました。神戸市の重症コロナ患者さんを診る体制を確保するため、通常診療の縮小を余儀なくされています。その中で、現在まで1,000名を越えるコロナ患者さんの治療をおこなっている当院は、まさに「最後の砦」の役割を果たしていると自負しています。
さて、これからの10年はどうなるのでしょうか。
医療の進歩は目覚ましく、消化器領域でも新たな治療・機器が次々と開発されています。当科としても、最先端の医療を提供するという使命から、今年度、最大520倍の超拡大観察が可能な内視鏡「EndocytoⓇ」を導入しました。顕微鏡レベルの視野が生体内で得られるという画期的な機器です。また、内視鏡初のAI診断支援システムである「Endo BRAIN-EYE」を全国の病院に先駆けて導入する予定です。AIを活用することで早期癌の質的診断・微小な腫瘍の拾い上げができると期待しています。治療面では、日本人に最も多いがんである大腸がんによる死亡を減少させるために、大腸の腫瘍性ポリープを積極的に切除する「Cold Polypectomy」を導入しています。外来にて治療可能で患者さんの負担軽減にもつながっています。
また、消化器がんに対する薬物治療の進歩も目覚ましく、当院では、腫瘍内科を中心に関連診療科が協力してシームレスながん診療を受けることが可能です。
これまでも、これからも、当院は最高水準の医療を市民の皆様に提供できるよう努力し続けます。

Endocyto(超拡大内視鏡、GIF-H290EC)、粘膜細胞内の核が観察される。

Endo BRAIN-EYE(検査中にリアルタイムに腫瘍を指摘)

神戸市立医療センター中央市民病院
副院長兼呼吸器内科部長

富井 啓介

これまでの10年とこれからの10年

旧病院では呼吸器センター病棟の医師・看護師でほぼすべての患者を管理し、病棟のあちこちで人工呼吸器等のさまざまなアラームが鳴り響いていましたが、新病院移転後は重症度やコードに応じた様々な病棟で、RSTという全病院的チーム医療の下での呼吸管理を確立しました。10年で劇的に変化したものは、まず治療として肺がんに対する免疫チェックポイント阻害剤、肺線維症・間質性肺炎に対する抗線維化薬、呼吸不全に対するハイフローセラピー、検査について超音波気管支鏡とクライオ肺生検があげられます。これからの10年では、チーム医療のさらなる進展が期待されます。肺がん、間質性肺炎などすでに確立した院内サポートチームに加えて、非がん呼吸器疾患の緩和ケア、地域医療と連携した呼吸管理とリハビリが、COVID-19パンデミックを背景に急速に進みつつあります。当院主導の治験結果をもとに保険承認が見込まれる在宅ハイフローセラピーは、この流れをさらに加速させることになると思われます。

神戸市立医療センター中央市民病院
副院長兼血液内科部長

石川 隆之

血液内科 これまでの10年とこれからの10年

10年前の新病院への移転は血液内科にとって永年の懸念の多くが解消された画期的なものでした。当院に準無菌室、無菌室を11床持ち、また隣接する当時の先端医療センターの無菌病床19床とあわせて30床の無菌病床が確保されたことで、同種・自家移植件数の大幅な増加が可能となっただけでなく、院内感染の根絶を目指せる環境が整い急性白血病治療の安全性が著しく向上しました。近年BiTEやCAR-T療法といった新たな治療戦略が導入され、関連した薬剤の増加、対象疾患の拡大がなされつつあります。また、多くの新薬の開発が進んでいますが、その結果、血液がん治療の主戦場が無菌病室から外来へと移行する流れが加速しています。良好な入院環境を保ちつつ、外来診療の更なる充実を図っていく所存です。

神戸市立医療センター中央市民病院
腫瘍内科部長

安井 久晃

腫瘍内科 これまでの10年とこれからの10年

腫瘍内科は、病院の新築・移転を機に設置された「がんセンター」の中核診療科として開設され、外来化学療法を中心とした診療を行ってきました。診断から治療・緩和ケア・地域連携まで、関連部門の協力体制のもとで実施できることが、総合病院である当院の強みです。単に延命を目指すだけでなく、多職種で患者さんの生活を支えるサポーティブケアを重視しています。当科では、がん治療の進歩に貢献し、その恩恵をいち早く患者さんに届けるため、一貫して新しい治療法の研究開発(治験や臨床試験)に取り組んできました。この数年は、臨床現場でがんゲノム医療を行う体制を整備し、がん遺伝子パネル検査を積極的に実施しています。がんゲノム医療が果たす役割は今後ますます大きくなると予想され、臨床研究を重視する方向性は今後も変わりません。医療スタッフと患者さんが治療方針を一緒に決定するというプロセスを大切にし、最良の治療を納得して受けていただけるよう引き続き努めてまいります。

神戸市立医療センター中央市民病院
緩和ケア内科部長代行

西本哲郎

緩和ケア内科 これまでの10年とこれからの10年

緩和ケア内科は、院内の有志が立ち上げたペインコントロールチームを基盤として、緩和ケアチームでの活動実績を地道に積み重ね、平成24年7月から標榜診療科「緩和ケア内科」として診療にあたっています。がん患者さんとそのご家族を対象として、症状緩和やその療養支援をおこなってきましたが、昨今は非がん患者さんに対する症状緩和の割合も多くなっています。緩和ケアは生命を脅かす重篤な疾患を持つ患者さん・ご家族に提供されるものです。がん診療を基盤として培ってきた緩和ケアの経験と技術をもって、今後は救急・集中治療の領域でも緩和ケアを提供できるように取り組んでいきたいと考えており、当院に課せられた急性期医療の使命を、緩和ケアの観点からも支えていきたいと考えております。

神戸市立医療センター中央市民病院
総合内科兼感染症科部長

西岡 弘晶

総合内科 これまでの10年とこれからの10年

総合内科は病院移転と同じ年に設置された診療科です。近年我が国では、複数の疾患を同時に抱えたり、多臓器に問題があったり、心理社会的問題がからみあったりしている患者さんが増え、一つ一つの問題を各々の専門医療によって解決しようとしてもうまくいかないことが多くなりました。そのような場合、問題を総合的にとらえ、治療の順序やバランスを決めることが必要になります。当科では、臓器別の枠に縛られずに患者さんのニーズにできるだけ合わせた、総合的な医療を提供することを目指してやってきました。これからも社会の変化に対応しながら、院内だけではなく地域の医療スタッフの皆様とも協力して、より質の高い、患者さんにとって最適な医療を受けていただけるよう、チーム医療で取り組んでいきます。

神戸市立医療センター中央市民病院
精神・神経科部長

松石 邦隆

精神・神経科のこれまでの10年とこれからの10年

10年前に当院が新築移転した際には精神・神経科は常勤医3人で一般病棟に10床ほどを間借りしてうつ病の短期入院治療を行っており、これは今でも継続しております。移転直前より立ち上げたせん妄ケアチームは、専攻医や初期研修医の若い力に支えられながら、精神科リエゾンチームに名を変えて発展を続けてきました。2016年には精神科身体合併症病棟(MPU)が新設され、スタッフも4人に増員となりました。MPUでは我々スタッフは、様々な精神症状を呈する患者さんが手厚い看護によって落ち着きを取り戻していくといった貴重な経験を積ませていただいております。外来診療では一般精神科外来やコンサルテーションリエゾンに加えて、ここ数年間分子イメージング部の強力なサポートを得て認知症治療薬の治験にも力を注いできました。これらの経験を生かし、これからの10年では高齢化社会の中で認知症診療にも力を入れていこうと考えております。

神戸市立医療センター中央市民病院
膠原病・リウマチ内科部長

大村 浩一郎

これからの10年

膠原病・リウマチ内科は、2021年4月に立ち上がった新しい診療科です。私は赴任して間もないため、過去10年のことはよくわかりません。一方、これからの10年については大きな夢と希望を持っており、10年後をとても楽しみにしています。地域の核になる病院としてはもちろんのこと、全国、場合によっては世界中から受診したい、見学に来たいといわれるような診療科を目指して現在様々な取り組みを行っています。新参診療科ではありますが、10年後には中央市民病院の看板になれるよう頑張って参ります。

神戸市立医療センター中央市民病院
院長補佐兼外科・移植外科部長

貝原 聡

これまでの10年とこれからの10年

外科においては近年、低侵襲医療(=患者さんへの負担が少ない安全な手術)が目覚ましく発展しています。皆様も腹腔鏡手術やロボット(支援)手術はご存知かと思いますが、これらの様々な手術が保険適応となり、一般医療として実施できるようになりました。また一方で、手術器具やコンピュータを使った術前の画像処理による手術のシミュレーション技術も格段に進歩しました。当院でも移転して以来これらの技術を積極的に取り入れ、それにより高度な医療を安全かつ低侵襲に患者さんに提供できるような態勢を整えた10年でした。
今後の10年は、これら手術に関する技術の発展がさらに進歩すると思われます。当院でも新たな技術や器具を取り入れることで、皆様に安心して最高レベルの手術が提供できる病院を目指します。また今後の悪性疾患に対する治療は、手術や抗がん剤など多くの治療の組み合わせが今以上に複雑になってきます。そこで、悪性疾患にかかわる全ての医療従事者が診療科や職種の垣根を越えてチームとして治療にあたることで、皆様に最高のがん治療を提供できる体制をさらに構築してまいります。

神戸市立医療センター中央市民病院
乳腺外科部長

鈴木 栄治

これまでの10年とこれからの10年

2000年 Perouらによるintrinsic subtype概念の確立
これにより乳がん悪性度/予後と関連する分子の解明がなされる
2001年 HER2分子に対する分子標的治療の開発
2004年 多遺伝子アッセイによるホルモン受容体陽性乳がんグループのリスク細分化
これにより化学療法回避(de-escalation)の概念が浸透する
2017年 乳がん再発高リスクグループへのescalationの考え方の浸透
HER2陽性やトリプルネガティブ乳がんへの術前薬物療法でpCR(病理学的完全奏効)を目指すintensiveな加療。pCRが得られなかった際の追加薬物療法。
これからの10年は、治療効果向上の取り組みが引き続き発展していく一方で、今まで以上に安全、安心、満足がキーワードとなり、毒性軽減、QOL維持、AI技術などを取り入れた自動化への取り組みは、より一層注力される。
神戸市立医療センター中央市民病院乳腺外科では画像/病理診断、薬剤、形成、看護、遺伝、地域、緩和医療分野など多職種チームで乳がん診療の発展に今後も邁進していきます。

神戸市立医療センター中央市民病院
心臓血管外科部長

小山 忠明

心臓血管外科 これまでの10年とこれからの10年

私が東北大震災直後の2011年4月に東京から神戸に赴任してすぐに新病院へ移転となったのでこの病院のこれまでの10年は私のここでの経験そのものであり、新しい体制作りとその確立に奮闘した10年だったと思います。そして心臓血管外科でも低侵襲手術とカテーテル治療の波が押し寄せ、この10年で手術の様相はかなり様変わりしまた。循環器内科、臨床工学技士、看護師との連携によりその波に乗り遅れることなく今後のためのしっかりとした土台を作ることができました。これからの10年はこの低侵襲化をさらに推し進めるべく、ロボット支援手術の導入、低侵襲手術の適応拡大を行い、日本のリーディングセンターとして情報発信にも努めていきたいと思います。

神戸市立医療センター中央市民病院
泌尿器科部長

川喜田 睦司

泌尿器科のこれまでの10年とこれからの10年

腎癌に対する腹腔鏡手術が保険収載されたのが2002年です。2006年に前立腺癌に腹腔鏡手術が適用され、図に示すように急速に腹腔鏡手術が増加しました。ロボット支援前立腺全摘術が保険収載されたのが2012年ですが、当院には2014年にダ・ヴィンチが導入され、その後、腎(部分切除)、膀胱への適用により急速にロボット支援手術への置き換わりが起こりました。早ければ来年には腎尿管、副腎にもロボット支援手術の適用が見込まれ、さらに増加しそうです。また、昨年には和製手術支援ロボットのHINOTORIが承認され、他のメーカーもこの数年内に新製品を上場する予定で、手術支援ロボットの競争が激しくなると思われます。機器・器具の性能の向上とともに、ナビゲーションやAIの導入も計画されており、ロボット支援手術の第二ステージの幕開け間近と思われます。

図.泌尿器科の年度別手術件数

神戸市立医療センター中央市民病院
主席副院長兼脳神経外科部長

坂井 信幸

脳神経外科「これまでの10年とこれからの10年」

旧病院時代の2001年より、神戸市内における脳外科・脳卒中診療の体制整備に尽力してまいりました。新病院移転後、脳血管内治療と外科治療を同時に行うことができるハイブリッド手術室が導入されました。また脳血管内治療機器が大幅に進歩し、かつては高難度の開頭術しか治療法がなかった大型脳動脈瘤が血管内治療で根治できるようになり、さらに血栓回収機器の開発・発展に伴い、脳梗塞の治療成績が劇的に改善しました。これまでの10年は、黎明期であった脳血管内治療が一気に開花し、脳卒中治療に大きな改革をもたらした時期でありました。
現在も日々新たな治療機器が開発され、治療の低侵襲化が進んでいます。これまでの機器開発は欧米が中心でしたが、企業と協力して今後当院を中心に日本発の機器開発、世界への発信を行っていきます。またこれまで有効な治療がなかった脳卒中の後遺症に対して細胞注入治療の治験も始まっており、これからの10年はさらなる脳卒中診療の飛躍が期待されます。今後も神戸市民の皆さまに信頼いただけるよう、高度先進医療を提供してまいります。


当院オリジナル脳卒中啓発キャラクター ストローくん

神戸市立医療センター中央市民病院
整形外科部長

安田 義

整形外科のこれまでの10年とこれからの10年

当院が「1年365日、24時間、断らない救急医療」をモットーとして掲げていることから、これまでの10年で整形外科緊急手術に24時間対応すべく、当直とバックアップ体制を整えてきました。またスタッフが各々のsubspecialtyに応じた診療を担当し、骨軟部原発悪性腫瘍以外の症例はほぼ診療可能な体制を整えて、神戸医療圏域における高度急性期病院として病診・病病連携を進めて参りました。さらに、当院に先端医療センターが統合されたことを契機に、特定臨床研究も開始しました。
これからの10年で高齢者がさらに増加し、運動器疾患を担当する整形外科の医療需要は益々増加すると考えられますので、高齢化により増加する関節疾患、脊椎疾患、脆弱性骨折の診療を強化する所存です。また今後増加する介護需要を少しでも減少させるためには、運動器疾患の予防が肝要です。神戸市の運動器疾患予防の中核となるように、これからも診療機能を充実させていく所存です。

神戸市立医療センター中央市民病院
形成外科部長

片岡 和哉

これまでの10年とこれからの10年

形成外科では、新病院に移転してから10年、先天異常と外傷、再建外科を柱に、形成外科全般の診療を行ってきました。先天異常では唇顎口蓋裂のチーム医療を中心に、顔面その他さまざまな疾患を診療してきました。また外傷では、顔面損傷や顔面骨骨折、熱傷をはじめとして、救急医療にも取り組んできました。再建外科では頭頚部悪性腫瘍切除後再建、乳がん切除後の乳房再建、外傷後の再建など広い範囲で治療に取り組んできました。他にも、保険診療内で形成外科全般の診療を行ってきました。これからもこの方針に変わりはありません。
これまでの10年間で、いろいろな新しい治療法、手術法が開発されてきました。これからもさらに、新しい理論、治療法が登場してくるものと思います。それに慎重かつ積極的に対応し、より高度な、より良い医療を目指していきたいと考えています。

神戸市立医療センター中央市民病院
産婦人科部長

吉岡 信也

産婦人科 これまでの10年とこれからの10年

当院はMFICU(母体・胎児集中治療室)を有し,2013年に兵庫県で2番目となる総合周産期母子医療センターの認定を受けまし。.地域の妊婦さんと赤ちゃんの安心と安全を目指して,正常妊娠から合併症妊娠、切迫早産や産後出血などの患者さんをできる限り受け入れてきました。少子化が進んでいますが,妊娠年齢の上昇などにともなってハイリスク妊娠は増加しています。今後もNICU(新生児集中治療室)や他の診療科と連携し,どのような方でも母子ともに安心して出産ができるように努力していきます.
婦人科では,この10年で腹腔鏡手術やロボット手術といった患者さんへの侵襲が少ない手術が広がり,婦人科がんの薬物治療では,分子標的製剤や遺伝子に関連した薬剤が導入され大きな変化がありました.今後も高度先進医療を患者さんに届けて,できるだけ侵襲が少ない治療をさらに推し進めていきます.

神戸市立医療センター中央市民病院
副院長兼呼吸器外科部長

高橋 豊

呼吸器外科 これまでの10年とこれからの10年

2020年はコロナの影響もあって手術数は減りましたが、この10年間に手術は250件から400件、肺がん手術も100件から200件と倍近く伸び、胸腔鏡手術の占める割合が75%から95%となりました。胸腔鏡手術自体も進化し、ポート(創(キズ))数は3個から2または1個と更に低侵襲となっています。これからの10年は人口動態の影響から患者数は頭打ちを迎える一方、患者さんはより高齢化して合併症を伴うケースが増えると思われます。このため、手術の低侵襲性はますます重症視され、術後もよりきめ細かいケアが必要になります。今のロボット手術は5ポートで行いますが、1ポートで手術のできる機器が開発されており、これを使えば、低侵襲でより精緻な手術を提供できます。また、治療が終わった後に安心して退院できるような体制も合わせて構築せねばならないと考えます。

神戸市立医療センター中央市民病院
頭頚部外科兼耳鼻咽喉科部長

篠原 尚吾

耳鼻咽喉科・頭頸部外科 これまでの10年とこれからの10年

耳鼻咽喉科では2010年当院に頭頸部外科が新設され、標榜診療科が耳鼻咽喉科・頭頸部外科となりました。それ以降、一般的な耳鼻咽喉科診療に加えて、人工内耳医療を中心とした耳科診療、頭頸部外科・形成外科・放射線治療科・腫瘍内科と多職種チーム医療による集学的頭頸部癌治療を2本の柱として、市民のご期待に応えるよう診療を続けてまいりました。耳科診療に関しては、本年度より総合聴覚センターが発足し、難聴の手術やリハビリテーション、教育との連携、臨床研究を通じて人工内耳小児や高度難聴者を臨床、研究両面で支援する体制が整いつつあります。頭頸部癌治療も、腫瘍内科と協力の上今後は遺伝子プロファイルを利用したテーラーメイド医療にも力を入れて行きたいと考えています。また耳鼻咽喉科・頭頸部外科臨床研修指定施設として、これから耳鼻咽喉科・頭頸部外科を目指す若い先生たちの教育も変わらず続けていきたいと思っています。

神戸市立医療センター中央市民病院
皮膚科部長

長野 徹

皮膚科 これまでの10年とこれからの10年

2011年7月、新病院移転当時の皮膚科は私と小川、上野両副医長の3名体制でした。その当時は入院患者も10人を超すことはまずなく、救急のセカンドコールが私だったためよく呼び出されたことを懐かしく(?)思い出します。思い出深いのは、移転の年に10年ぶりに松島・田中・木場の3君がローテートしてくれたことです。当時は魅力ある科であることをアピールすること、体制づくり、人づくりに余念がなかった時代でした。以降10年が経過し、スタッフ3名・後期研修医3名の6名体制となり、日本でも有数の規模の病院皮膚科に育ったと自負しております。これからの10年はこの恵まれた環境を生かし、AIが臨床の現場に導入され、環境の激変が想定される皮膚科というフィールドで、医学・医療の進歩を遅滞なく患者さんに還元できる診療科・チームを目指し精進してまいります。

神戸市立医療センター中央市民病院
麻酔科部長

美馬 裕之

これまでの10年とこれからの10年

移転10周年おめでとうございます。
麻酔科のこの10年は、思い返せば大きな変革期でした。それまで少数精鋭でやってきましたが、若手医師を毎年4〜6名採用するようになり、また移転準備の中からでてきたICUフェローのアイデアが実現され、手術件数の大幅な増加はもとより様々なサービスの拡充につながりました。はからずも重症コロナ対策にも大いに貢献したと思います。
これからの10年ということを考えると、麻酔科医・ICU医のサービスの範囲は周術期のみならず多岐にわたっており、まだまだ手を広げる余地は広いと考えています。量だけではなくて質を追求することを意識して、日々努力していきたいと思います。

神戸市立医療センター中央市民病院
歯科・歯科口腔外科部長

竹信 俊彦

歯科・歯科口腔外科 これまでの10年とこれからの10年

歯科口腔外科の歴史は当院開業当時の6診療科の1つとして始まり、今年で開設97年目となります。現在29校ある日本の歯学部・歯科大学はその当時、わずか5校のみでした。新築・移転後の10年は増え続ける地域の歯科医院と競合せず、地域に役立つ存在となり、かつ大学病院に決して劣らぬ高度医療をいかに提供するかに心血を注いできました。他診療各科の多大な協力を得ながら、今では全国的にも名の知れた病院歯科に成長することができました。出身医局員の総数は今では調べることも叶いませんが、現在の歯科同門会でさえ100名を超える組織となっています。また過去10年で当科において研修を終えた後に、神戸市立西市民病院・西神戸医療センター・彦根市立病院・六甲アイランド病院・ときわ病院・赤穂市民病院・日本赤十字社和歌山医療センターなどの地域の核となる病院歯科に人材を派遣してきました。3年後にはいよいよ開設100周年を迎えます。今後の10年はコロナ禍の影響も当面尾を引くと予想されますが、地域住民の皆様や地域医療機関の需要にお応えできるように、高度医療を滞りなく堅持すると同時に地域社会に役立つ歯科医師を育てて参る所存です。

神戸市立医療センター中央市民病院
小児科兼新生児科部長

鶴田 悟

小児科 これまでの10年とこれからの10年

小児科医療は一般的に臓器や疾患によって専門分化している他科と比べると年齢によって対象を決定する、という特殊性があります。そのため、これまでもそしてこれからも「子どもの総合医」としての機能が期待されています。
近年少子高齢化、格差の拡大が問題視されており、小児科医療にも影響を与えています。対象患者の減少はただでさえ医療収入の面で効率の悪い小児科の経営環境に影を落としており、医療の質を落とさない効率化が求められています。また、社会における格差の拡大は子どもの間にも貧困問題を顕在化させる一方で、小児虐待の増加と言った暗い影響も与えています。
当院には神戸市民の救急の最後の砦として、安全と安心を提供することが当然の機能として要求されています。その機能を今後とも安定して提供する一方で、未来の日本を支える子どもの心身の安全と正常な発達を見守るため、予防医学や心身医学にも力を入れていく方針です。

神戸市立医療センター中央市民病院
病理診断科部長

原 重雄

病理診断科 これまでの10年とこれからの10年

病理診断科はこれまで、地域に根差した診療を病理診断業務から支え、病理を志す人材の育成を続けて参りました。過去10年に育った病理医は病理専門医7名、歯科口腔病理専門医1名で、市中病院としてはかなり教育に重点を置いてきました。今後も後進の育成に注力し、大学や市中病院で活躍できる病理診断医の育成に努めるとともに、がんゲノム医療など、時代とともに変貌する医療環境に対応すべく、臨床各科ならびに他部門と連携してまいります。また、今後10年の大きな目標として、豊富な症例を有する大規模市中病院の利点を生かし、情報発信にも努めていきます。

神戸市立医療センター中央市民病院
放射線診断科部長

石藏 礼一

これまでの10年の歩み 今後の10年に向かって

現在、中央市民病院では、主な画像診断の機器は本館一階に集約されています。一階入り口を入って右のFブロック映像医学にCT,MRI,透視,IVRの装置が、入って左Gブロック放射線治療・核医学に核医学、PET装置存在します。患者さんにもわかりやすく、放射線診断科医もFブロックとGブロックに集中して、検査、指示、読影に当たることができる、自慢の構成です。
しかし、画像診断の装置は日進月歩であり、10年を経た今、装置の刷新が急務となっています。例えばCTはdual energy CT, MRIでは3T装置が高度先進医療には必須となってきました。AIの今後の進歩からも目が離せません。次の10年、計画的に画像診断機器の刷新を進め、神戸市民の最後の砦としてつねに最先端の画像診断を提供できるよう、邁進していきたいと思います。

神戸市立医療センター中央市民病院
放射線治療科部長

小久保 雅樹

新病院移転後の10年とこれからの10年 ―放射線治療科-

2011年7月にポートアイランド2期地区に新築移転した際に放射線治療機器も阪神淡路大震災後16年ぶりに一新されましたが、放射線治療科は神戸医療産業都市構想の枠組みの中で、先端医療センター病院の放射線治療部門と連携することにより、高精度治療は先端医療センターで行うこととし、当院では一般的な放射線治療を行う機器のみ整備し、治療を実施してきました。2017年11月、先端医療センター病院が閉院となり、高精度治療の実施が当院に移管されました。徐々に機能を充実させてきましたが、いまだ不十分であったのがこれまでの10年間でした。
2021年度より4年間にわたって、当院および先端医療センターから移設された放射線治療機器が最新機器に順次更新される予定です。これにより、X線治療ではほとんどすべての高精度治療が行える放射線治療センターとなる予定です。それぞれに特徴のある近接する神戸陽子線センター、神戸低侵襲がん医療センターとは専攻医の派遣など今まで以上に密接に連携を行い、高齢者でも合併症があってもがん治療可能な充実した放射線治療センターを運営していく所存です。

写真:2022年4月に導入予定の最新型放射線治療装置

神戸市立医療センター中央市民病院
救急科部長

有吉 孝一

「問われていること」

「人間が人生を問うに先立って、人生から人間は問われている」
強制収容所から生還した精神科医ヴィクトール・フランクルはこう述べました。
2011年、移転当初の救命センターはEICU8、CCU6、救急病棟36床の入院病床50床で始まりました。これだけでも破格の病床数でしたが、この50床が満床となれば救急搬送依頼を断るのでなく、30室あるER(救急外来)の経過観察ベッドを用いながら患者さんを受け入れてきました。このボトルネックを解消するために2016年、身体合併症精神科病棟(MPU)8床、第二救急病棟8床を新たに設置し、62床に増床しました。
2020年に始まったCOVID-19パンデミックにあたり、この救命センター機能は多大な効果を発揮しています。ERには1995年の地下鉄サリン事件を契機に作った化学災害用除染室と、2007年、神戸での新型インフルエンザパニックを教訓とした感染症診察室を用意しており、軽症から重症まで陰圧室対応が可能です。重症コロナ患者さんの入院数が増えるに従いEICU、CCU、第二救急病棟、救急病棟を漸減、閉鎖し人員を新型コロナ臨時病棟に動員し、時機を逃さず運用してきました。
2021年9月6日現在も全46床が満床で、重症コロナ患者さんの入院診療を継続中です。拡充した救命救急センターがなければ、ここまでのコロナ診療はできなかったと自負しています。
コロナは、我々が何をやるべきかを問うています。やらないのは論外ですが、できない言い訳を考えるのも時間の無駄です。同様に次の10年で何をやるかは、常に救急患者さんとその家族から問われていると考えています。

神戸市立医療センター中央市民病院
リハビリテーション科部長

幸原 伸夫

リハビリテーション科 これまでの10年とこれからの10年

脳卒中や骨折のあとにのんびり療法しながら行うといったリハビリテーションのイメージが過去のものとなり、ICUを含め呼吸器や心臓の障害、あるいはがんの患者さんたちにも急性期から積極的なリハビリを行う方向に転換した10年でした。これからの10年は中央市民病院だけにとどまらず、地域の在宅医療にかかわる施設や人々と緊密に連携し、高齢化とともに増加するであろう多くの障害を持つ人たちが、地域でより豊かな生活を送れるような流れを作るための場を提供できる総合リハビリテーションセンターとなることを私たちは目指したいと思います。

神戸市立医療センター中央市民病院
副院長・看護部部長

藤原 のり子

これまでの10年とこれからの10年

現病院に移転後、高度で複雑な検査や治療に医療が進歩する中、患者さんに安全な環境と科学的根拠に基づいた看護を提供することに努めてきました。
特に、新型コロナウイルス感染拡大以降、一人でも多くの命を救うため、看護部では総力を挙げ対応してきました。いまこそ看護の役割が求められていると感じています。市民のみなさまの期待に応えられるよう今後も取り組んでいきたいと思います。
これからの10年は、今まで以上に多職種が連携し、ケアを提供することが大切になってくると考えます。その中で、患者さんに最も近い立場の存在として、看護職は、患者さんにとって今一番大切なことは何か、その人らしく生活するためにどうすればよいか考え、患者さんに安心と信頼を提供できるように努力していきたいと思います。

神戸市立医療センター中央市民病院
薬剤部部長

室井 延之

10年後に活躍する薬剤師を目指して

中央市民病院がこの地に新築・移転した10年前、私たち薬剤師に求められたものはチーム医療の推進であり、薬剤師の病棟配置による病棟薬剤業務や薬剤師外来など、院内チームの一員として薬物療法を支援してきました。2021年の現在、国により自宅で療養生活ができる地域づくりが進められており、病院から転院また退院後の在宅療養において、患者さんが薬物療法を安心して安全に継続していくために、薬剤師の役割も『院内のチーム医療』から『地域と病院をつなぐチーム医療』に拡大しています。また、今後は電子お薬手帳、電子処方箋などのICT化も進み、病院と地域医療機関や保険薬局との情報連携がますます大切になります。薬剤師は、病院内だけではなく、外来・在宅でのあらゆる場面で患者さんと向き合い、薬についての問題点をしっかりと把握し一人一人の日常生活に密着した服薬支援によって、患者さんの健康をサポートしていきます。

神戸市立医療センター中央市民病院
放射線技術部技師長

奥内 昇

放射線技術部 これまでの10年とこれからの10年

新病院オープンとともに放射線部門では3T-MRI、64列CT、ハイブリッド血管造影装置、PET-CTなどの最新鋭の画像診断機器を揃え、また画像誘導放射線治療、強度変調放射線治療などの高精度放射線治療にも広く対応してきました。24時間365日市民の皆さんの期待に応えるべく、順調に運営することができました。まさに市民の健康と命を守る「最後の砦」たる中央市民病院の基盤を支えることができたと思います。これまでの10年で中央市民病院への信頼はさらに高まったと感じています。
もはや新病院とは言えないこれからの10年ですが、放射線医療機器なども適切に装置更新を進めてゆく計画です。検査や治療の質を更に高めてゆき、また放射線技術部一同これまでと変わらない気持ちで、次の10年も中央市民病院の基盤を支えてゆきたいと思います。

神戸市立医療センター中央市民病院
臨床検査技術部技師長

江藤 正明

臨床検査技術部 これまでの10年これからの10年

移転から10年、質量分析装置による微生物検査の結果報告時間の短縮、造血器腫瘍に関する遺伝子検査や細胞検査の有用性の高い検査技術の導入及び開発、手術中の神経モニタリング検査体制の構築など、新たな検査機器や検査法を導入し検査サービスの向上に努めてきました。また、他職種と協働して CAR-T細胞療法や造血幹細胞移植のための細胞管理業務を始めました。2019年3月には臨床検査の国際規格であるISO15189の認定を取得し、検査結果の信頼度を継続して向上させるよう取り組んでまいりました。
今後も高度先進医療・救急医療に応えられるよう、検査技術の向上に努めてまいります。また、法改正により臨床検査技師ができる業務範囲が拡大されます。他職種との連携を高めるために業務拡大とチーム医療の推進に取り組んでまいります。

神戸市立医療センター中央市民病院
臨床工学技術部技士長

坂地 一朗

臨床工学技術部 これまでの10年とこれからの10年

「移転」に最初に関わったのは、実際の移転からさらに10年ほど遡った頃に、「新病院への移転計画があるので、臨床工学技士としての夢を語って欲しい。」と言われ、当時は正職員3名と非常勤3名で透析・集中治療と人工心肺が業務でしたが、今後は当直や緊急対応と医療機器の高度化に伴って30名は必要と大風呂敷を広げたプレゼンをさせて頂いたことと記憶しています。ところが移転時には当直体制の導入、その後の10年で心臓カテーテルや消化器内視鏡の緊急対応と医療機器や治療の高度化に対応するため、スタッフは30名を超えました。多くの医療職・事務職のご理解とご協力をいただき、病院機能の向上に応える体制の構築に尽力した10年でした。これからも、高度化が進む医療に対して自分たちの役割を理解し、医師や多職種と協力して最高水準の医療を安全・安心に提供できるよう努めてまいります。

神戸市立医療センター中央市民病院
リハビリテーション技術部技師長

本田 明広

リハビリテーション技術部 これまでの10年とこれからの10年

この10年でリハビリテーションの対象は脳卒中、整形外科中心からさらに呼吸器、心臓あるいはがんなど多くの領域へと広がってきました。それは、高齢化と高度医療の発展に伴い、多くの障がいを持つ人たちが急増したことがあげられます。そして、当院ではその変化に対応しつつ、特にICUを含む救急・重症部門の超早期からの365日積極的なリハビリを行う体制づくりに注力してきました。その結果、リハビリを行っている件数が、10年前は入院中の約8人に1人が、今では2人に1人となっています。これからの10年、救急・重症部門のみならず、リハビリが必要なすべての方に対し、365日温かみのあるリハビリが提供できる体制づくりと、中央市民病院にとどまらず、回復期病院、地域の在宅医療にかかわる方々との連携を密にし、救急救命から生活へ安心して退院し、地域でより豊かな生活に戻れるような流れの中核的役割を担う部門へと発展していきたいと思います。